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地獄の黙示録(1979年/2001年)

地獄の黙示録

ベトナム戦争中、アメリカ軍人カーツ大佐が本部の命令を無視して戦地に王国を築いていた。ウィラード大尉は、本部からカーツ大佐暗殺の指令を受ける。ウィラードとその部下たちは行く先々で戦争と人間の狂気を目の当たりにし、次第に平常心を保つのが難しくなってくる。

ついに王国にたどり着いたウィラードは、現地に滞在していたカメラマンと共に潜入。1度は拘束されるが、その後なぜか解放され、カーツ大佐と対峙。ウィラードは、カーツの狂気に満ちた思想に圧倒される。

超大作にして、『ゴッドファーザー』に次ぐ、監督の代表作だ。オリジナルは1979年に公開されたが、当時で2時間半の大作だった。内容も難解で、観ていて訳が分からなくなることも少なくなかった。

その後、公開から20年以上を経て、コッポラは時代が追いついたことや、観客の成熟を感じた。そして50分以上のシーンを追加編集し、特別完全版を2001年に公開。追加シーンは、カーツ大佐のもとにたどり着く前までのところが多く、ウィラードをはじめ、兵士たちが狂気の中に溺れていくさまがより強調されている。

キャストは、カーツ大佐に。ウィラードにマーティン・シーン。ウィラードが引き連れる部下のひとりに、。ウィラードを援護する空爆軍指揮官に、ロバート・デュバル。カーツの王国に滞在していたカメラマンに、デニス・ホッパー。ウィラードに指令する中将の副官ルーカス大佐として、がちょこっと出演。かなり豪華だ。

マーロン・ブランドが勝手に頭髪を剃ってスキンヘッドになったために、脚本を書き直したこと。ウィラード役は当初ハーヴェイ・カイデルだったが、トラブルのため降板。ハリソン・フォードも、スケジュールが合わず断念(よってルーカス大佐としてちょこっとだけ出演)。これらの経緯を経て、マーティン・シーンに落ち着いたとのこと。キャスティングだけでなく、撮影も難航を極めたそうだ。

映画冒頭では、の『The End』が流れる。中盤では、ウィラードたちが小型船で移動中、ラジオでの『Satisfaction』がかかる。そして最も象徴的なのは、空爆の場面でワーグナーの『ワルキューレの騎行』が流れるシーンだ。音楽が、効果的に使われていることも見逃せない。

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