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ブライアン・ウィルソンさん(Brian Wilson、ex-Beach Boys)死去

The Beach Boys『Pet Sounds』

ブライアン・ウィルソンさんが11日に亡くなられた。82歳だった。死因はまだ公表されていないが、昨年認知症と診断されていた。

ふたりの弟デニスとカール、従兄弟のマイク・ラヴ、友人のアル・ジャーディンと共にビーチ・ボーイズを結成し、作曲のほとんどを担当。活動初期はサーフィンやホットロッドのミュージックでヒットを飛ばし、尋常ではないペースでアルバムをリリースしていた。やがて精神的負担により、ライヴ活動から離脱。スタジオレコーディングに専念する。

ビートルズのコンセプトアルバムに刺激を受け、『Pet Sounds』を発表。今でこそ名盤だが、リリース当時はそれまでのバンドイメージからかけ離れた内省的な作風からなかなか受け入れられなかった。更なる高みを目指して『Smile』制作に取り掛かるも、ノイローゼ発症などにより断念。以降、長きに渡り健康状態の悪化が続いた。体調が回復し、90年代後半からは本格的にソロ活動を開始。2004年には、ソロ名義ながらついに『Smile』を完成させた。

個人的には、3度ライヴを観る機会に恵まれた。99年のソロ初来日、2005年の『Smile』再現ライヴ、2016年の『Pet Sounds』再現ライヴだ。個人的に、作品としてはビーチ・ボーイズからソロを通じて 『Pet Sounds』が最も好きだが、ライヴの完成度と圧倒的な演奏力は『Smile』再現ライヴが圧巻だった。

カールとデニスはかなり前に旅立ち、暗黒時代からの脱出に大きく力を尽くした妻メリンダも昨年亡くなっていた。一部の同世代アーティストがまだまだ現役で気を吐いてはいるが、この人としてはやることはやり切り、安らかに眠るときが来たのではないだろうか。

99年の来日時、数寄屋橋阪急に当時あったHMVでサイン会が開催された。ワタシはビーチ・ボーイズの6枚組ボックス『Good Vibrations: Thirty Years Of The Beach Boys』のブックレットを持参し、サインしてもらった。さらさらっと書かれたサインはシンプルだが、今では貴重なアイテムになった。

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