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あぶさん、2014年2月を以て41年の連載にピリオド

公開日: : 最終更新日:2022/01/18 水島新司

あぶさん(107)

ビッグコミックオリジナルに連載中の野球マンガ『あぶさん』が、来年2月を以て完結することが発表になった。連載開始から41年という、野球マンガの最長不倒を更新し続けていたマンガだった。

大酒飲みの主人公景浦安武は、ノンプロを経てドラフト外で南海ホークスに入団。しばらくは代打の切り札として勝負強さを発揮していたが、やがて外野やサードの守備もこなすようになり、ある時期はピッチャーまでやっていた。現実なら引退しているであろう40代半ばになって3年連続で三冠王を達成し、なんと62歳まで現役だった。引退後はいったん球団を離れるが、今年は一軍助監督を務めていた。

スタート時は、型破りなキャラ設定にしつつも中堅選手の域に留まっていた。それが年を経るにつれてスーパーマン化し、いつしか球界を代表し頂点に君臨する選手になった。現実のプロ野球ともリンクさせ同時進行しており、劇中には実在の選手や監督も数多く登場した。特に若い選手にとっては、『あぶさん』に描かれることが、プロの選手として一人前のステータスを得たような空気になっていた。

今回のニュースを聞き、思ったのは引き際の難しさだ。62歳まで現役選手というのは、夢はあるかもしれないが、どう考えても無理なことだ。作者の水島新司も、南海からダイエーになったときなど、何度か終わらせることを考えたに違いない。もしかすると、延命は作者の意図ではなく、ドラゴンボールのように出版社側の意向によるかもしれない。ただ、現実離れしていく代わりに、優勝、日本一、息子景虎との対戦や親子共演なども実現している。

ワタシは、80年代半ばのあぶさんがピッチャーをこなし始めた辺りから読み始め、以降断続的に読みこなしていたが、正直、現役引退後少ししてからは離れていた。その一方、スーパーマン化していない、もともとのあぶさんはどうだったのだろうかとも思い、1巻から少しずつ読むこともしていた。有望視された同期が志半ばで引退していたり、そこそこ恋愛模様もあったり、後に結婚する大虎のサチ子とも当初は微妙な距離感があったりと、結構面白い。

単行本のフォローは、今後も地道に続けたい。そして、連載の最終回も楽しみにしている。

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