『課長島耕作』シリーズ
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最終更新日:2025/04/18
島耕作
団塊の世代にあたる島耕作は、大学卒業後初芝電器産業に入社。本人は派閥にも出世にも興味はなかったが、地方や海外勤務などを経て昇進していく。一方、仕事第一で家庭をあまり顧みることがなく、連載開始時点で妻との関係は冷えており、別居を経て離婚。しかし、その前後から社内外の多くの女性と恋愛関係になる。
島の昇進を区切りとして連載は終了し、間を置いて昇進後の肩書がタイトルについて連載が始まる、を繰り返している。『部長』『取締役』『常務』『専務』を経て、ついに『社長島耕作』へ。コレは、一般のニュースでも取り扱われていた。その後も、『会長』『相談役』と続いている。
島の仕事に対する姿勢や意識が変わるのは、『取締役』編からだ。役員となり、会社運営に直接関わるのだから、当然と言えば当然だが。現実社会とリンクさせていて、時には現実世界を予言したような描写もある(『社長島耕作』、衆議院解散を予言)。311の東日本大震災やコロナ禍も、物語に取り入れている。
『取締役』編の辺りから、並行して『ヤング』『係長』『学生』と、課長になる前の物語が連載されている。作品を横断して関わる人材の数は多いが、後々より協力を深める人材と、実は若いときに少しだけコンタクトがあったり、ニアミスしていたり、という描写もある。
順調に出世している島だが、ちょくちょく失敗もしている。ただ、その失敗が致命的にはならず、つまりは運を持っている。周囲の人たち、特に、直属か別の部署かに依らず上司に好かれていることが多い。一方で、島の存在を疎ましく思う人もいる。必ずしも完ぺきなビジネスマンになっていないことに、安心させられる。
結構人も死んでいる。島よりも年上で立場のあった人たちは、病気で亡くなることが多い。ほかには、左遷された後や島に借りた金を返した後に自殺したり、事故や事件に巻き込まれて命を落としたりする人もいる。このあたりの描写は、結構容赦ないなと思う。
現在は、『社外取締役島耕作』として連載中だ。テコット(島が社長になったとき、初芝と五洋電機が合併し社名を公募して変更)から退いた後に「株式会社島耕作」を立ち上げ、企業コンサルを行っている。主人公というよりは、狂言回し的な立ち位置にいる。
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