ランボー ラスト・ブラッド(2019年)
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ランボー シルベスター・スタローン
故郷に戻り、亡き父の農場を引き継いでから10年あまり。ランボーは、父の代からの知人マリアと、彼女の孫娘ガブリエルと共に暮らしていた。大学入学を控えたガブリエルは父親がメキシコにいると知り、ランボーが止めるのを聞かずひとりで向かってしまう。
ガブリエルは父に会うが、自分と亡き母への愛情はなかったと言われ、失意のままクラブへ。そこで睡眠薬を飲まされ、気がつくと人身売買組織に誘拐されていた。ランボーは彼女を連れ戻すためメキシコに乗り込むが、組織に見つかり袋叩きにされてしまう。
『ランボー』の、シリーズ5作目にして完結編になる。前作『最後の戦場』から公開まで11年空いてしまい、劇中の時間軸も同じくらいの年月が経過しているようだ。前作では父が存命であることを匂わせていたが、年月が経ってしまったことから上記の設定にしたと思われる。
序盤、マリアやガブリエルと暮らす日常は、ランボーにも平穏な時間が訪れたかと思わされる。がしかし、一方では精神安定剤を服用していて、戦場でのトラウマは簡単には消えず、依然として残っていることも伺わせる。
ガブリエルは結局麻薬の過剰摂取で亡くなってしまい、これがランボーの怒りに火を点ける。シリーズでは、『怒りの脱出』で現地の協力者だったコー・パオを失うことはあったが、今回の身内のしかも一般人の死という描写はかなりショッキングだ。たとえ戦地ではなくとも、ランボーは戦いから逃れられないのかと思わされる。
クライマックスは、農場の地下にさまざまな仕掛けを張り巡らせての組織への復讐だ。爆薬や油、ナイフ、弓矢などを駆使し、殺害される組織のメンバーたちのエグい最期が連続する。凄惨な描写はシリーズ中最もひどいと思われ、当然のようにR指定になった。
組織を全滅はさせたが自身も傷を負い、脇腹を押さえながらロッキンチェアーに身を委ねるランボー。このまま眠ってしまえば絶命してしまうのでは?と匂わせつつエンドロールへ。映像はシリーズ4作のダイジェストになるが、第1作が最も多かった。
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