*

タイム(2011年)

公開日: : 最終更新日:2024/03/29 SF ,

タイム(2011年)

近未来。遺伝子操作により長寿が可能になった人類は、25歳以降は労働により稼いだ時間を通貨としていた。貧困層は日々を生き抜く時間を稼ぐのが精一杯で、一方富裕層は平気で100年以上生きている。スラム街に住むウィルは、ふとしたきっかけで100年以上の時間を手に入れるが、一方で時間の切れた母を失う。ウィルはスラム街を出てニューグリニッジ(富裕ゾーン)に向かい、そこで富豪の娘シルヴィアと知り合う。

劇場で観た作品だが、その前に予告編を何度も見かけていた。時間が通貨になるという仕組みの詳細は伏せられていて、本編を観たことでやっとわかった。人々の左腕にグリーンの数値で自分の持ち時間が浮かんでいて、これがその人の寿命になる。労働で時間を増やすことができ、支払いにより時間は減る。人と人とで時間を分け合うことも可能(奪うことも可能)。

遺伝子工学的には未来だが、生活はほぼワタシたちの現代と同等。よってCGが駆使されることはほとんどなく、洗練された世界観よりも、むしろ生々しい泥臭さのイメージがある。ウィルはなぜ世の中の仕組みがこうなったかを知り、シルヴィアと共に銀行を襲っては時間を人々に分け与える。映画評で、「ボニー&クライド」と称されたのに納得だ。

ラストにも納得している。ボニー&クライドは警官の銃弾を浴びて最期を遂げるが、さすがに今どきのハリウッド映画で2人が死ぬことはないだろうと思っていたし、たかが男女2人が社会の仕組みそのものをひっくり返すのも安易すぎる。体制に向かうところで終わり、続編を作ろうと思えば作れるし、このまま終わってもアリと思わせる。

ウィルはジャスティン・ティンバーレイク、シルヴィアはアマンダ・サイフリッドという人。2人の前にことごとく立ちはだかる時間監視局のレオンは、『インセプション』などに出ているだ。ジャスティンは『ソーシャル・ネットワーク』でも観ているが、シンガー出身と思わせない、役に溶け込んだ演技をしている。アマンダは、おかっぱの神田うのに見えてしまった(笑)。監督は、『ロード・オブ・ウォー』のアンドリュー・ニコルだった。

関連記事

遊星からの物体X(1982年)

南極大陸において、ノルウェー観測隊のヘリがハスキー犬を追ううちにアメリカ観測隊基地へたどり着

記事を読む

禁断の惑星(1956年)

とある惑星で消息を絶った調査隊の救出に向かった宇宙船の一団が、惑星で生き残って生活を続けてい

記事を読む

ウォー・ゲーム(1983年)

高校生のデヴィッドは、自分の学校のコンピュータにハッキングして成績を書き換えるなど、パソコン

記事を読む

爆裂都市 BURST CITY(1982年)

舞台は、自由や快楽、暴力が渦巻く都市。人気ロックバンド、バトル・ロッカーズとパンクバンドのマ

記事を読む

哀れなるものたち

哀れなるものたち(ちょこっとネタバレ)

ある女性が、橋から身投げして自殺を図る。科学者のゴッドウィン・バクスターは彼女を蘇生させ、ベ

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑