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ソーシャル・ネットワーク(2011年)

公開日: : 最終更新日:2016/10/29 デヴィッド・フィンチャー

ソーシャル・ネットワーク(2011年)

ハーバード大学に通うマーク・ザッカーバーグは、彼女にフラれた腹いせに学内のコンピュータをハッキングし、女学生の写真をネット上に公表して投票するウェブサイトを公開。深夜にもかかわらず、サーバがダウンする高アクセスを記録した。マークは大学の処分を受けるが、噂を聞いた上級生からハーバード内の登録制ウェブサイト制作の話を持ち掛けられる。しかし、マークは上級生からのメールを無視し続けた末、友人サベリンと共同でSNSサイト「ザ・フェイスブック」を立ち上げたー。

今や世界一のSNSとなったフェイスブックの創設を描いた作品で、当然脚色もあるだろうが、基本的には実話をベースにしている。物語は、フェイスブックが巨大化する過程と、アイディアを盗まれ裏切られたとして上級生やサベリンとの訴訟を、交互に描いている。

いろいろなことを示唆してくれる、傑作と言っていい作品だ。階級社会ではないアメリカにおいて、ハーバードという高学歴がブランドになり、更に学内には選ばれし者だけが入会できる8つの社交団体「ファイナルクラブ」がある。マークに制作を依頼した上級生の双子は、ファイナルクラブの中でも最高峰の団体に属し、ボード部でオリンピック候補、更に親は資産家ときた。サベリンもファイナルクラブへの入会に憧れ、招待状をもらっては歓喜し、厳しくそして滑稽な審査に食らいつく。しかし、マークはファイナルクラブに興味を示さず、ひたすらフェイスブックの構築と発展に没頭した。

つまり、サベリンも双子も、それまでに築かれている価値観にすがっていたのに対し、マークは新しい価値観を自分で作り上げてしまったのだ。マークに大きな影響を与える人物として、かつてナップスターを作ったショーン・パーカーが登場する。ナップスターは結局消え去ったし、ショーンはかなりチャラい奴だが、イノヴェーター然とした佇まいにマークは惹かれたのだ。

マークは裏切り者、という作品の論調があるようだが、ワタシは実際観てそうは感じなかった。ではマークなくして、双子に、サベリンに、こんにちのようなフェイスブックを築き上げることができたのかといえば、それは絶対ノーだと言えるからだ。頭の回転が早すぎる天才にして人の資質を見極める能力にも長け、そして情に流されずドライだ。経営者たるもの、こうでなくては務まらないのではとも思わされる。その一方、人と人とのつながりを作る仕組みを作っていながら、自身にはひとりの友達もいない(サベリンが唯一の友達だったと言えるのだが、決裂)。

監督は、「セブン」「ファイトクラブ」などのデヴィッド・フィンチャー。音楽は、ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーが担当。2人とも、仕事のために何もかも犠牲にして打ち込んだと言い、この物語に共感しているそうだ。キャストは、マーク・ザッカーバーグにジェシー・アイゼンバーグ、サベリンにアンドリュー・ガーフィールド(「アメイジング・スパイダーマン」)、ショーンにはなんとジャスティン・ティンバーレイク。双子はアーミー・ハマーが2役、マークのガールフレンドはルーニー・マーラ(「ドラゴン・タトゥーの女」「her 世界にひとつだけの彼女」)。俳優陣の、この作品以降の飛躍ぶりがすごい。

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