ファイト・クラブ(1999年)
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最終更新日:2025/05/31
デヴィッド・フィンチャー エドワード・ノートン, デヴィッド・フィンチャー, ピクシーズ, ブラッド・ピット
不眠症に悩むサラリーマンの男は、精神科医のアイディアでガン患者が心情を告白するグループに参加。その夜ぐっすり眠ることができたことから、いくつかのグループに偽患者として潜り込む。やがて同じことをしている女性マーラに気づいて安眠できなくなり、彼女と交渉してグループを棲み分けることにする。
あるとき、男は出張から帰宅すると自宅では爆発事故が起きていた。機内で知り合ったタイラー・ダーデンという石鹸のセールスマンに連絡し、自宅に泊めてもらうよう頼む。タイラーは快諾する代わりに、男に自分を殴るよう求める。ふたりは路上で殴り合うが、やがてバーの地下室で殴り合う「ファイト・クラブ」を開催する。
『エイリアン3』では思うように手腕を振るえなかったデヴィッド・フィンチャーの評価を上げ、監督としてのステータスを確立させたのが、『セブン』及び本作と認識していた。宣材写真などから、アンダーグラウンドの世界で最強を決めるストリートファイトを描いた作品だと、勝手に思い込んでいた。
がしかし、中盤以降ストーリーは別の方向に大きく動き出す。ファイト・クラブのメンバーたちは統制のとれた集団になり、タイラーの指示により犯罪行為を起こす。その一連の行動は、男には知らされない。タイラーは姿を消し、男はアメリカ中を探し回る。
そして、実はタイラーと男は同一人物だと判明。タイラーとマーラは関係を持っていたが、彼女に問いただし相手が自分だと確認する。タイラーは石鹸売りでホテルマンで映画のフィルム編集をするなど謎めいている。がしかし、なぜか性格が真逆とも思える男を受け入れていた。タイラーは、男の潜在的な願望を満たす理想のキャラクターだった。
劇中、男に名前はない。ナレーションは終始男の声だったが、エンドロールでは「ナレーター」となっていた。男は不眠症ではなく、別人格のタイラーとして活動していた可能性がある。あるいは、夢オチではないが、この物語すべてが男の妄想だったとも考えられる。
キャストは、タイラーはブラッド・ピットで、ワイルドでギラギラした役のイメージにはハマっている。男はエドワード・ノートンで、一般人のサラリーマンとしての顔と、ファイト・クラブで相手を殴り倒すサイコパスっぷりの二面性をうまく表現している。
マーラはヘレナ・ボナム・カーター、告白グループで男と知り合い、後にファイト・クラブに入るボブはミート・ローフ。ファイト・クラブのメンバーのひとりに、ジャレッド・レトがいた。
音楽はダスト・ブラザーズで、まるでSFのようなエレクトロな作風は、不思議と作品にマッチしていた。ラストシーンからエンドロールにかけては、ピクシーズの『Where is My Mind?』が流れる。公開当時ピクシーズは解散していたが、5年後に再結成を果たしている。
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