ザ・ローリング・ストーンズ（The Rolling Stones）『Four Flicks』

2003年暮れにリリースされたローリング・ストーンズのDVDだが、なんと4枚組で計9時間にも渡る超大作だ。観るのも大変で、週に1枚ずつこなして、やっと全部観ることができた。

1枚目はドキュメンタリーで、こうしてみると、2002年秋から昨年暮れまでに行われたリックスツアーが、当初からこのDVDを制作することを念頭に置いていたことがわかる。リハーサル風景やシークレットギグなど貴重なモノばかり。各地での模様もあって、日本ではフジテレビのめざましテレビの映像がまんま使われ、武道館に対するメンバーのインタビューも収録。更には、トロントで行われたチャリティーライヴの模様も。

2枚目はニューヨークはマジソン・スクエア・ガーデン、3枚目はロンドンでのスタジアム公演を収録している。前者はアリーナ、後者はここ10年のストーンズの定番キャパであるスタジアムでのライヴで、ワタシにとっては、横浜アリーナや東京ドームの公演とダブって見えてくる。曲によってはメンバーのインタビューが観れたり、マルチアングルで4人のメンバーそれぞれをクローズアップできたりする。またバックステージでの次の曲に向けての準備なども、時折挿入されている。

4枚目は、パリでのシアター公演。今回のストーンズのツアーは、各地でスタジアム／アリーナ／シアターという、キャパシティの異なる3種類の会場で、ライヴが行われ、狭くなるに連れてセットリストはレア度を増すという具合だった。日本では残念ながらシアター公演は実現せず、よって画面に釘付けになりながらこのディスクを観た。日本で言うと、Shibuya-AXやZeppクラスの会場だろうか。ステージのすぐそばにオーディエンスがいるという風景、若手バンドならお馴染みの絵柄だが、当時キャリア40年を誇るロックの王者ストーンズがこんなことをするなんて、いったい誰が予想できただろう。