ザ・ポリス（The Police）『Synchronicity Concert』

ザ・ポリスの83年ライヴを収録した映像作品『Synchronicity Concert』を観た。もともとは84年にVHSビデオとして発売されていたのだが、やがて廃盤に。それが2005年にDVD化され、映像や音声の質は向上し、更にボーナス映像が付加されている。収録地はジョージア州アトランタで、会場は2万人規模と思しきアリーナクラス。ステージの後方にまで客を入れていて、バンドは四方を客に囲まれた形で演奏をする。時期的には、アルバム『Synchronicity』がバカ売れし、シングルヒットも数多く飛ばしていた頃で、まさに人気実力とも絶頂期にあったと言える。

演奏は、ポリスの3人のほかに3人の女性コーラスがいて、ヴォーカル面が強化されていた。スチュアート・コープランドとアンディ・サマーズはいたってふつうの格好だが、スティングだけがド派手な衣装でそして胸元をあらわにしている。選曲は『Synchronicity』からを中心としつつ、『Message In A Bottle』や『Walking On The Moon』といった往年の名曲も織り交ぜられ、この時点でのベストと思える構成になっている。

映像的には、踊っている特定の客をふちどりしたり、スローモーションを使ったりしていて、『Every Breath You Take』では画面がモノクロに。アンコールでは、スチュアートが機材に乗せられていた植木鉢を振り回したり、アンディが後ろからスティングに抱きついたり、と、それぞれにおどけた表情を見せていた。エクストラでは、このパッケージの予告映像やメルボルンでの3人のインタビューが収録。そして極めつけは、VHSではカットされていた4曲のライヴ映像で、『Synchronicity II』『Roxanne』『Invisible Sun』『Don’t Stand So Close To Me』をマルチアングルで堪能できる。

レコードコレクターズ2005年11月号に、このDVDのリリースに際してのスチュアートのインタビューが掲載されていて、その中で既にスチュアートはドキュメンタリー映画『The Police Inside Out』の構想を語っている。そのスチュアート、映画のプロモーションで2007年に来日した際、翌2008年2月に日本公演を行うという旨の発言をしていた。