フー・ファイターズ(Foo Fighters)@さいたまスーパーアリーナ
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最終更新日:2025/10/08
Foo Fighters サマソニ, フジロック, フー・ファイターズ

おとぼけビ~バ~の後、セットチェンジが完了し20時5分,ギターのリフが聴こえてきて、これはもしやデイヴか!?と場内が気づきはじめたときに客電が落ちた。6人が姿を見せてそれぞれ持ち場につくが、オープニングは意外や『Enough Space』。そして『All My Life』へとつないでいく。
メンバーのポジションは、前方センターはもちろんデイヴ・グロール。向かって左がギターのクリス・シブレット、右が同じくギターのパット・スメア。ベースのネイト・メンデルは、後方ドラムセットの右付近だ。後方向かって左が、キーボードのラミ・ジャフェ。
そして後方中央が、新ドラマーのイラン・ルービンだ。イランは、『Rope』で早くも見せ場を作った。終盤にアフロヘアを振り乱してソロを披露し、この人は見た目だけでなく、プレイもパワー型であることを示していた。
続く『The Pretender』で、ショウは最初の沸点に。このバンドのライヴを観るとき、今まではどうしてもデイヴばかりを見てしまっていた。今回は各メンバーにも注目した。
リードギターはデイヴではなく実はクリスで、テレキャスターなど数本のギターを使っていた。イントロのリフは、だいたいこの人が担っていた。一方のパットはリズムギターに終始し、前に出たり後ろに下がったりしていた。今までもそうだったが、だいたい笑みを浮かべて楽しそうに弾いていた。
ベースのネイトは、パットと入れ替わるように前に出たり、あるいはふたり並んで前に出ることもあった。コーラスは、クリスとネイトで担っていた。後方のラミは、クールに弾いているイメージがあったが、今回は特に序盤は跳ねながら鍵盤を弾くことが多かった。
さてデイヴだが、フロントマンでありサービス精神に溢れているこの人は、オーディエンスを煽ったり、ステージ上を右に左に何度も行き来したり、シャウトしたり、と、八面六臂の活躍ぶりだ。前半はペラハウスブルーのギブソンDG-335を使い、『Stacked Actors』のときはギブソン・エクスプローラー、以降は白とゴールドのDG-335を使い分けていた。
バンドは今年キャリア30年を迎え、セットリストはキャリア横断的になりほとんどのアルバムからピックアップされていた。『These Days』の中盤以降がインプロヴィゼーション全開の大作になり、まさかと言っては失礼だが、この曲でショウのピークを迎えるとは思ってもみなかった。
『Walk』のときにメンバーを紹介し、『My Hero』のときには日本のフェイバリットバンドを挙げてくれた。少年ナイフ、ボアダムス、この日オープニングアクトだったおとぼけビ~バ~、そしてハイロウズ。フーファイは1997年の第1回フジロックに出演していて、ハイロウズはその前にステージに立っていた。デイヴがヒロトとマーシーを認識してくれているのが、嬉しかった(ギターウルフの名も挙げていた)。
デイヴが怪演しているMVを思い出す『Learn to Fly』、ファーストアルバムの1曲目『This Is a Call』など、よりどりみどり状態。ライヴ向けではないと思っていた『Shame Shame』は、徐々にエモーショナルに持っていくことによって、納得させられた。『Big Me』では、バックドロップのスクリーンに「1995 30 2025」の文字が浮かび、演奏中は1995年当時と思われる映像が流れていた。
『Monkey Wrench』ではオーディエンスにスクリーム(絶叫)を煽り、自らも絶叫していた。アウトロではイアンのソロが披露され、パワータイプのドラムが結構フーファイに合っていると思った。『Aurora』はテイラー・ホーキンスが気に入っていた曲で、今後もセットリストのマストになっていくことだろう。
『Best of You』の後もメンバーは楽器を交換していたので、アンコールはなくこのまま一気にフィナーレを迎えるとみた。ここでデイヴは、30年間マネージャーを務めているジョンの誕生日であることと、この人への感謝を語り、そして『Everlong』でライヴを締めくくった。
セットリスト
Enough Space
All My Life
Rope
The Pretender
Times Like These
Stacked Actors
La Dee Da
These Days
Walk
My Hero
Learn to Fly
This Is a Call
No Son of Mine
Shame Shame
Big Me
Monkey Wrench
Aurora
Best of You
Everlong
近年の来日は、フジロックとサマソニのフェスだった。フェスのヘッドライナーとしてステージに立つのももちろんカッコいいが、アーティストの魅力にどっぷり浸ることができるのは、やはり単独公演だと思う。
単独来日は2008年以来実に17年ぶりになり、個人的には1995年にグラブチッタで観てから30年になる。それだけの年月が経過して、なおフーファイが健在なのは素晴らしいし、そしてこれからも現役であり続けると信じている。
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