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頭脳警察のヒストリー本を読んだ

公開日: : 頭脳警察 ,

頭脳警察(単行本)

シンプルに『頭脳警察』と題された、バンドのヒストリー本を読んた。ハードカバーで分厚くて重く、持ち運びには難があるが、テンポよくすらすらと読むことができた。

この本は、通常のヒストリー本とは一線を画している。作者がつらつらと文章を綴るのではなく、実際にPANTAや石塚俊明と交遊のあった人たちが「証言者」として語り、作者はその背景をフォローする役回りを担っているのだ。証言者となっている人たちは、古くからPANTAとの親交の深い音楽評論家、レコード会社の音響担当、ライヴハウスのオーナー、頭脳警察のフォロワーでレコーディングに参加することを許されたミュージシャン、一時期頭脳警察のメンバーでもあったベーシストなどだ。

こうした人たちのことばは、彼らが実際に見聞きしたことに基づいているだけに、説得力がありリアリティに溢れている。70年代当時の頭脳警察の活動はもちろん、他のアーティストの名前もぽんぽん出てきて、頭脳警察との関わりを通じて、当時の音楽シーンがうっすらと浮かび上がってくるようだ。名が挙がったアーティストは、はっぴいえんど、フラワー・トラベリン・バンド、四人囃子、あんぜんバンド、ダイナマイツ、村八分、吉田拓郎など。70年代は、複数のアーティストが集うイベントが頻繁に行われていた時代でもあったらしい。もちろん、90年の再結成や2001年から現在に至るまでの活動についても、きっちりとフォローされている。

そして巻末を飾るのは、石塚そしてPANTAのインタビューだ。当事者ならではの生々しいことばが次々に飛び出していて、だけどそれが衝撃ではなく、自然なものとして受け取れた。以前は限定的に頭脳警察を復活させていた2人だが、21世紀になってからはソロとの並行活動になっていて、バックバンドもそのときどきに応じて組まれている。2人は、まだまだ前線に立っている。

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