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セックス・ピストルズ(Sex Pistols)『伝説のラスト・ライヴ(DVD)』

公開日: : 最終更新日:2025/02/02 Sex Pistols , ,

セックス・ピストルズ(Sex Pistols)『伝説のラスト・ライヴ』

原題は『Winterland Concert』となっていて、78年1月14日のアメリカはサンフランシスコのウインターランドでのコンサートである。この後ジョニー・ロットンがバンド脱退を表明したためにピストルズは解散となり、これがラストライヴになってしまったのだ。

ライヴとしての質はかなり低く、過剰な期待を抱いて観ると大コケする。スティーヴ・ジョーンズのギターのチューニングが狂っているらしく、1曲毎に調整に手こずっている(ギターアンプは、マルコム・マクラーレンの策略により敢えて不調になっていたとのこと)。バンド間のコンビネーションも密になっているとは言い難く、目的を失って惰性で演奏しているようにも見えてしまう。

ライヴは『God Save The Queen』でスタート。序盤ではスティーヴは赤のジャケットを、は黒のライダースジャケットを着ているが、2曲目以降でふたりとも脱ぎ捨て、シドは上半身裸になって、かなり低い位置でベースを弾く。客席からはステージに向かって絶えずモノが投げられ、時折ステージに上がる輩もいて(すぐにスタッフによってどかされるが)、バンドと客との一体感も生まれるはずもなく、騒然というか、異様な雰囲気の中でのライヴとなっている。

このライヴをライヴとして成立させているのは、フロントマンのジョニー・ロットンだ。さほど大柄なわけでもなく、そして目立ったアクションをするわけでもないのだが、そのヴォーカルはやはり圧倒的で、唯一無二のものを感じさせる。ではあるが、バンドの歴史と結末を知った上で観ているせいもあるのか、ジョニーの表情はどことなく寂しげでやりきれないようにも見えてしまう。

この映像は1995年にビデオ化されその後DVD化もされた(現在は廃盤のよう)ワタシはそれに先駆けてWOWOWで放送されたのを録画しておき、何度か観た。ピストルズは、1996年と2008年に再結成。現在は、ジョン・ンではないヴォーカリストを立ててツアーをしている。

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