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タイガーマスク(アニメ版)

公開日: : タイガーマスク

タイガーマスク DVD-COLLECTION VOL.4(完)

『タイガーマスク』は、原作は1968年から1971年にかけて連載。アニメは、約1年半後の1969年10月から放送されていた。

原作はかつて愛蔵版で全巻所有していて、何度も繰り返し読んでいた。アニメの方は、恐らく再々放送くらいがリアルタイムだったが、ビデオもない時代だし観たり観なかったり。数年前にMXTVで放送されていて、全105話を観た。原作のイメージが頭にある中でアニメを観ていると、いろいろとツッコミを入れたくなる。

まずは、マンガを原作に持つアニメの宿命でもあるのだが、原作にないオリジナルのストーリーがまあ多いこと多いこと。特に序盤。日本マット参戦から悪役リーグ戦へは、原作は割とテンポよく進むのだが、アニメではオリジナルストーリーを入れまくりだ。

アニメと原作で最も違うと思うのは、原作は虎の穴からの刺客を倒すだけでなく、地下プロレスなどダークサイドにも踏み込みつつ、実在のレスラーとも戦いながらレスラーとして成長していく姿を描いている。それに対し、アニメは対虎の穴の図式に焦点を絞っているように見受けられる。その方が、シンプルでわかりやすいからかな。

アニメでは、原作にはないオリジナルのキャラクターが多数登場する。虎の穴で伊達直人の親友だった大門大吾は同じく虎の穴を裏切り、覆面レスラーのミスター不動になる。タイガーマスク・不動組と虎の穴首領ビックタイガー・ブラックタイガー組と戦いで、タイガーマスク組が勝利するも大門は重傷を負い、絶命する。ここが、中盤のハイライトだ。

大門と入れ替わるかのように、若きレスラー高岡拳太郎が台頭する。やはり虎の穴出身者で、当初は母の死はタイガーマスクのせいと吹き込まれ刺客としてタイガーマスクを襲うも、真相を知ってからは虎の穴を裏切り、タイガーマスクの弟分のような存在になる。

一方、虎の穴にはラスボスが控えていた。ミラクル3として日本マットに上がり、次々にレスラーを倒す一方で、タイガーの戦い方を研究する。タイガーマスクに先立って行われた高岡との戦いでタイガー・ザ・グレイトと名乗るようになり、高岡を病院送りにした後、ついにタイガーマスクとの運命の戦いが始まる。

ミラクル3のときはパワーとクリーンファイトで勝ち進んでいたが、タイガー・ザ・グレートはパワーと卑劣な反則技を繰り広げる。タイガーマスクは防戦一方で、腹部をえぐられたりロープに目をこすりつけられたりで、おびただしい出血をしてしまう。アニメとはいえ、かなりえぐい描写が続く。

さすがのタイガーマスクも、途中から反則技で応戦。しかし、場外戦で折れたテーブルに顔面を串刺しにされそうになり、逃れるためについにマスクをはずしてしまう。素顔をさらした伊達直人はタイガー・ザ・グレートを上回る反則技を繰り出し、最後は照明に逆さ吊りにして打撃を加えた後、照明が崩れ落ちるときにパイルドライバーで仕留め、更にグレートは照明の下敷きになってしまう。

伊達直人は、大門大吾の墓に虎の穴との戦いに勝ったことを報告。ジャイアント馬場を通じて虎のマスクを高岡に託し、ちびっこハウスの子供たちに想いを馳せながら国外に旅立つ。これで、105話に渡った物語が完結している。

ところで、タイガー・ザ・グレートとの戦いの前、タイガーマスクはその素顔を若月ルリ子に明かしている。原作では、タイガーマスクの正体は伊達直人ではとルリ子はずっと思い続けていたものの、結局伊達直人は誰にも正体を明かすことなく事故死している。ルリ子がずっともやもやした気持ちを抱き続けていたのを、アニメではすっきりとさせていて、これはこれでアリかなと思う。まるで『あしたのジョー』でホセ・メンドーサとの世界戦の直前にジョーと白木葉子が対面したときのようだった。

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