ターミネーター:新起動/ジェニシス(ネタバレあり)
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最終更新日:2024/08/10
ターミネーター アーノルド・シュワルツネッガー, ジェイ・コートニー, ディストピア
2029年。スカイネットと人類抵抗軍との戦いは抵抗軍の勝利目前となるが、スカイネットはタイムマシンでT-800ターミネーターを1984年に送り、抵抗軍指導者ジョン・コナーの母サラを抹殺せんとする。抵抗軍も、サラを守るべくカイル・リースが志願し、1984年へ。しかし、転移の直前にジョンが何者かに襲われるのを見て、転移中には審判の日が2017年という光景を見る。
1984年に着いた「青年」T-800は、待ち構えていた「中年」T-800によって倒される。一方カイルも警官に扮していたT-1000に襲われるが、サラに救われ「中年」T-800と合流。カイルはジョンに聞かされていたのと異なる状況に面食らう。そしてサラは、「中年」T-800を「おじさん」と呼んでいた。「おじさん」とサラはタイムマシンを作っていて、審判の日が起こる1997年に向かおうとしていたが、カイルは自分が来る途中に見た光景を主張し、サラと2人で2017年にタイムスリップする。
2017年に着いた2人は警察に逮捕され病院に連行されるが、そこへ現れたのはジョンだった。やがて初老になった「おじさん」も合流するが、「おじさん」はジョンを銃撃。しかしすぐに蘇生したジョンは、自らが新型ターミネーターT-3000であり、スカイネットを守るために来たことを告げる。
メディアでは『1』『2』の要素を含んだリブート作と言われていたが、シリーズ第5作と言ってもいいかもしれない。少なくとも、序盤は2029年からジョンがカイルを1984年に送り込むところが描写されていて、コレは『4』からの流れとしても問題ないからだ。1984年に『1』が公開されてから、ついにここまで来たかという感動があった。がしかし、ここからがリブートで、1984年にはいるはずのなかった「おじさん」やT-1000がいて、サラは一般女性ではなく未来を認識した女戦士になっている。
タイムトラベルを何度もしているのも驚きだが、極めつけはジョンをラスボスにしてしまったことだ。サラ側に「おじさん」やカイルをつけた手前、敵であるスカイネット側にもあと1枚カードが必要だったということなのかな。それにしても、これまでは抵抗軍のリーダー、預言者、指導者という描かれ方だったのが、なんとも大胆に舵を切ったものだ。
キャストは、「おじさん」にアーノルド・シュワルツネッガー。T-800の皮膚は人間に近いため劣化するという設定にしたことで、中年から初老になることの不自然さになんとか理屈をつけている。サラはエミリア・クラークという人、カイルは『アウトロー』『ダイ・ハード/ラスト・デイ』などのジェイ・コートニー。ジョンは『チャイルド44』の序盤にも出ていたジェイソン・クラーク。シュワ以外の配役は今のところ弱いと感じるが、今後の彼らの活躍次第では、豪華キャストと呼ばれる日が来るかもしれない。
T-1000はイ・ビョンホンだが、実は前半少しだけしか出てこない。そのT-1000にカイルと共に襲われるもなんとか助かった警官がいて、その後30年この事件を追っている刑事という役柄で、『セッション』のJ・K・シモンズが出演している。
『1』~『4』までを観ていれば、ニヤリとさせられるシーンは満載だ。T-800とカイルが1984年に着いたときのカットは、『1』に忠実だ。サイバーダイン社でジュニシス=スカイネット完成の指揮を取っているのは、『2』にも出ていたマイルス・ダイソンとその息子になっている。イ・ビョンホンのT-1000は、思った以上に『2』のロバート・パトリック版T-1000に面影が似ていた。
セリフでは、最もわかりやすいのは、「おじさん」の「アイル・ビー・バック」だろう。しかし個人的には、サラがカイルを助ける際に言った「Come with me if you want to live/死にたくなければ来い」だ。『1』ではカイルがサラに、『2』ではT-800がサラに、『3』ではジョンがケイトに、『4』ではカイルがマーカスに言っていて、このシリーズのテーマではないかと思っている。
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