*

Cocco Live Tour 2022 ”プロム”@東京ドームシティホール

公開日: : 最終更新日:2022/12/18 ライヴ

Cocco Live Tour 2022 ”プロム”@東京ドームシティホール

2020年に予定していたライヴハウスツアーがコロナ禍で中止になっただが、今年2年ぶりにツアーを敢行。この公演は、ツアー最終日になる。平日だが、開場前のグッズ販売には待機列ができ、ガチャガチャは別ブースにて販売、と、Cocco人気が健在であることを実感する。

客電が落ちて、先にバンドメンバーが登場してスタンバイ。そしてCoccoが登場して、『White dress』でスタート。メンバー配置は、ステージ向かって左から右に、ギター藤田、ベース根岸、ドラム椎野、キーボード渡辺シュンスケ、ギター長田という具合だ。

根岸と長田のDr.Strange Loveコンビがバックを固める中、最も気を吐いていたのは藤田だった。多くの曲でイントロのリフを担い、時にノイジーなリフを発するのは、レコーディングでは見られないライヴならではだ。コーラスも、長田の倍くらいはやっていたと思う。極めつけは、『結い』『女一代宵の内』でのCoccoとのユニゾンだ。

彼女のライヴにキーボード奏者はいたりいなかったりするが、今回は電子音のSEも結構あるので、渡辺は鍵盤だけでなくプログラミング方面も担っていたのではないかと思う(ワタシの席からだとCoccoとかぶってしまい、渡辺のプレイが見えたのはわずかだった)。

さてCoccoだが、ピンクのドレスに長いヴェールをまとっていた。メディアでは顔を出さない宣言をした彼女だが、ステージ上ではもちろん顔を出している。この日はMCが豊富で、それもリラックスして力の抜けた内容がほとんどだった。ギリギリモードの彼女を見慣れていたので、観ていて心が和んだ。

ステージには照明以外にセットはなかったが、この照明が素晴らしかった。序盤は抑え気味でステージを暗めにしていたが、それもライヴの進行上の演出だったのだろう。藤田と長田のふたりにスポットを当てたり、終盤では設置されているライトすべてが客席に向けてミラーボールのように発光していた。Coccoのドレスは、ライトの当たり具合によって赤にもパープルにも見えた。

中盤までは、ほとんど原曲の通りに演奏され、3~4分毎に曲が終わり、拍手が起こる。ただ、原曲ではサビ以外を淡々としゃべるように歌っている『コバルト』は、エモーショナルで躍動感があるヴォーカルになっていた。歌詞がちょっと聞き取りにくく、韻を踏んでいるのがよくわからなかったのが残念。Coccoはやたらと、「ばっか」を強調していた(笑)。

後半の『夜喪女』から『Rockstar』の辺りは旭間を切らさず一気に攻め立てた。ラストの『星の子ら』ではアウトロが拡大され、Coccoはドレスを大きく広げながらステージ左端に、そして右端にと足を伸ばした。このときのライティングがそれまで以上に素晴らしく、まるでドレス自体が発光しているかのようだった。

演奏を終え、Coccoを中心に全員が手を繋いで挨拶。その前のMCで言っていたように、彼女は客席に向けて「うんうん」と頷いていた。

セットリスト
1.White dress
2.ひとひら
3.コバルト
4.True Lies
5.アイドル
6.ラブレター
7.ままいろ
8.結い
9.恋い焦がれて
10.女一代宵の内
11.PROM
12.潮満ちぬ
13.新曲
14.夜喪女
15.Rockstar
16.光溢れ
17.7th floor
18.嵐ヶ丘
19.L-O-V-E
20.星の子ら

事前に小耳にはさんではいたが、過去の曲を一切やらない、コロナ禍以降にリリースした『クチナシ』『プロム』の2枚のみからという、かなり挑戦的なセットリストだった。本人はサービス精神のないリストと自虐的に言っていたが、いくつもある代表曲を封印しながらライヴを成立させてしまうその力量に圧倒され、そして感動した。

次はもっとサービスするとも言っていたので、となると、いよいよこのツアーは後にも先にもない貴重な公演になる可能性がある。その空間にいられて時間を過ごすことができたことのありがたさを、噛み締めている。

関連記事

Cocco、沖縄ゴミゼロ大作戦ワンマンライブ(2006年8月15日)

首相が靖国参拝した61回目の終戦記念日、Coccoが自身の出身でもある沖縄でライヴを行った。

記事を読む

Cocco@NHKホール

Cocco@NHKホール

今年、2年ぶりにアルバム『アダンバレエ』をリリースし、夏フェスもいくつかこなしたCocco。

記事を読む

Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館2days -一の巻-

Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館2days ー一の巻ー(2017年7月12日)

個人的にCoccoのライヴを観るのは8回目になるのだが(うち武道館は5回目)、今回最も座席に

記事を読む

Cocco@Zepp Tokyo

Cocco@Zepp Tokyo

今回のツアーは60分ライヴと銘打たれていたので、淡々と歌って60分ではいおしまい、となるかと

記事を読む

Cocco@Zepp Tokyo

Cocco@Zepp Tokyo

今年はデビュー15周年だそうで、8月にベスト盤をリリース。それにリンクした全国5ヶ所ツアーの

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑