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ピンク・フロイド(Pink Floyd)(2)

公開日: : 最終更新日:2024/09/29 Pink Floyd ,

Pink Floyd『Animals』

は、そのキャリアを大きく4つの時期に分けることができると思う。

シド・バレット時代/『夜明けの口笛吹き』
バンド時代/『神秘』~『アニマルズ』
ロジャー・ウォーターズ時代/『ザ・ウォール』~『ファイナル・カット』
デイヴ・ギルモア時代/『鬱』~

初期のリーダーはシド・バレット。ピンク・フロイドというバンド名はシドが飼っていた2匹の猫の名前であり、ピンク・アンダーソンとフロイド・カウンシルという2人のブルースマンから引用している。この時期はサイケデリックな音作りになっていて、『狂気』や『ザ・ウォール』などのメジャー作から聴き始めた後にこの辺りを聴くと、ほんとに同じバンド?という違和感を持ってしまう。しかしこの違和感こそが、シドの存在証明のようにも思える。初期の中心メンバーでありながら後にバンドを離れて行くという生きざまは、のブライアン・ジョーンズともダブる。

シドが精神に異常を来して活動できなくなったとき、バンドはロジャー・ウォーターズを中心にして建て直しを図った。このときシドの代役として加入したのがデイヴ・ギルモアで、ギルモアはシドの抜けた穴を補って余りある能力を発揮。全員が曲を書けることもあってか、中期は音楽的にはメンバー4人がそれぞれに頑張りを見せている。

ロジャーのエゴが目に見えて強くなりだしたのが『ザ・ウォール』で、数曲がギルモアと共作になってはいるが、2枚組というヴォリュームのほとんどを自分で書いた。更にはアルバムを曲順通りに演奏し、ライヴの最中にステージ上に”壁”を作るという大掛かりなツアーもした。続く『ファイナル・カット』は全曲がロジャーの手によるもので、その内容も第二次大戦で戦死した父に捧げるという、非常に私的なものだった。ロジャーはバンドを脱退するが、今度はギルモアがバンドを蘇生。現在に至っている。

ワタシがフロイドに手をつけ始めたときの作品は『原子心母』『狂気』『ザ・ウォール』という、名盤の誉れが高いアルバムからだった。そうして16枚のアルバムを聴いたが、その中で最も気に入った作品は、『アニマルズ』である。この作品を第一に挙げる人はあまりいないと思うが、ロジャーのコンセプトとギルモアのプレイが拮抗していて、時期としてはバンドとしてのバランスが取れた最後の作品になったのではないかと、ワタシは感じている。

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