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ザ・ローリング・ストーンズ『The Rolling Stones At The Max』

ザ・ローリング・ストーンズ『The Rolling Stones At The Max』

1990年8月のロンドン公演を収録したライヴ映像で、日本のファンにとっては同年2月に実現した初来日公演を思い出させる。

映像は、ライヴ直前のステージ裏に陣取るメンバーの様子から始まり、この導入部だけでゾクゾクさせられる。『Continental Drift』のSEから火薬が炸裂し、キース・リチャーズの指による『Start Me Up』のイントロでライヴの始まりだ。このときはまだビル・ワイマンが在籍していて、仁王立ちで淡々と弾いている。ミック・ジャガーは例によってアグレッシブにステージ上を動き回り、キースとロン・ウッドは時折寄り添いながらギターを弾く。サックスのボビー・キーズをはじめとする管楽器隊、2人の女性とひとりの男性によるコーラス、2人のキーボードといった、バックメンバーは、現在とは微妙に異なっている。

選曲は、当時の新作『Steel Wheels』プラスベストヒットだが、特に60年代のヒット曲がセレクトされているように見える。また、『2,000 Light Years From Home』はこのときのツアーの目玉のひとつだった。『Honkey Tonk Women』では巨大風船女がお目見えし、終盤にはミックがステージを降りて最前に詰めている客とハイタッチし続ける。

収録時間が90分を切っていて、つまりカットされた曲が結構あるのが残念。また、DVD再発に際し、VHSにはなかった特典映像があるとされていたが、結局なかったのも残念。しかし、ワタシも90年の公演には1回だけだが行ったし、その追体験ができるという意味では、やはりありがたい作品である。また、この映像はIMAX方式で撮影されている。現在では日本でも映画館に専用シアターが設置されるなどで一般に浸透しているが、ストーンズの適用は早かったと言える。

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