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ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男

ローリング・ストーンズの創始者でありながらバンドを追われ、その後自宅プールで謎の水死を遂げたブライアン・ジョーンズ。長年事故死として伝えられてきたが、一方で他殺説も絶えなかった。映画製作者のスティーヴン・ウーリー(スチュアート・サトクリフの半生を描いた『バックビート』も手掛けている)が10年以上に渡って事実関係を調査し、ブライアン最後の夜に邸宅にいた女性2人から証言を取れたことで、ブライアン他殺を前面に打ち出した伝記映画を作り上げた。

映画は、ブライアンがプールで水死する場面が冒頭で描かれ、そしてその3ヶ月前にさかのぼる。当時のストーンズのマネージャーだったトム・キーロックが、ブライアンの自宅改築のために建築士のフランク・ソログッドをブライアン宅に送り込む。ブライアンは、気分でフランクに工事のやり直しを命じ、そればかりか身の回りの世話まで要求する。

一方ストーンズ側は、アルコールとドラッグに溺れ、スタジオにも来ず、来てもアーティストとして機能せず、逮捕歴があるためアメリカ入国が難しく、そのくせ女やファッションに浪費しているブライアンをお荷物と思うようになり、ついにブライアンを解雇。失意のブライアンは、孤独を求めてフランクに工事の中断と解雇を言い渡す。しかしフランクには、それまでの工事費が適正に支払われなかった。

事故死ではなく他殺、というのがこの映画の最大の売りなのだが、ドラッグとアルコールにまみれ身勝手な行動を繰り返していたブライアンは、たとえこのタイミングで殺されなかったとしても、遅かれ早かれ死を迎えていたのではないかという気がしていて、その出口のない追い詰められたアーティストの生きざまは、『シド・アンド・ナンシー』を彷彿とさせるものがある。

女性の愛し方もわからないがゆえにそのときどきで異なる女性を求め、しかしそれでも救われることはなかった(映画ではアニタ・バレンバーグがかなり大きな存在という描かれ方をしているが、ワタシにはそうは思えなかった)。その一方で、もしジョン・レノンにとってのオノ・ヨーコのような女性がいれば、あるいはエリック・クラプトンの麻薬中毒からの更正をサポートしてくれたピート・タウンゼントのような友人がいれば、死を避けることはできたかもしれないという気がする。

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