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マディ・ウォーターズ・アンド・ローリング・ストーンズ(Muddy Waters & The Rolling Stones)『Checkerboard Lounge・Live Chicago 1981(DVD+2CD)』

マディ・ウォーターズ・アンド・ローリング・ストーンズ(Muddy Waters & The Rolling Stones)『Checkerboard Lounge・Live Chicago 1981(DVD+2CD)』

のライヴにマディ・ウォーターズがゲスト出演したライヴと思い込んで買ったのだが、いざ商品を手にしてみるとなんと真逆。こりゃ失敗したなと思いつつもいちおう観て聴いたが、素晴らしい内容だった。以下、DVDを中心に書く。

バディ・ガイが所有するというシカゴの狭いクラブでの、マディのバンドによる演奏でスタートし、3曲目でマディその人が客席からステージに登場し、椅子に腰かけて歌いながらスギターを弾き、これで少しの間演奏が続く。やがて、ストーンズのメンバーがクルマでクラブに乗りつけ、客席の最前列に次々に座る。、ロン・ウッド、そして彼らの家族だ。

ステージからマディがミック、キース、ロニーをひとりずつ呼び寄せ、3人はステージに加わる。マディを囲むように、ミックは向かって左、キースとロニーは向かって右に陣取る。『Hoochie Coochie Man』『Manish Boy』といったお馴染みの曲を、マディとストーンズが共演しているのだ(しかも100人も入らないクラブで)。マディの野太いヴォーカルを、ミックの聞き慣れたセクシーなヴォーカルがもり立てる。

やがてマディとミックは客席に戻り、マディのトリビュートライヴのスタイルになる。クラブのオーナーのバディ・ガイやレフティ・ディズなどがステージに現れ、ライヴをこなしていく。キースとロニーはタバコをくわえながらリラックスした面持ちでギターを弾いている。そして、ここではなんとイアン・スチュワートがピアノを弾いている。ストーンズの映像作品ですらあまり映ることのないイアンだが、ここでははっきりとその姿を、何度も確認することができるのだ。終盤にマディとミックが再びステージに立ち、ライヴは締め括られた。

ボーナス映像は、実はライヴの1曲目だった『You're gonna miss me when I'm gone』と、ストーンズ全米ツアーから『Black Limousine』が。後者はストーンズのオリジナルだがブルース色が濃く、自らのルーツを失っていないことの現れとしてここに収録されているのかもしれない。

2枚組CDはDVDよりも収録曲が多く、こちらの方がむしろライヴの全体像に触れることができる。

マディはこのライヴの翌年にガンがみつかり、その次の年の83年に亡くなっている。イアンも86年に亡くなっていて、そういう意味でも貴重な記録だ。

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