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バスキア(1996年)

バスキア(1996年)

27歳の若さで死んだ天才黒人画家、ジャン=ミシェル・バスキアの半生を綴った伝記映画だ。無名時代は壁に絵を書いたりポストカードを自作したりしていたが、やがてその才能が認められ、成功の階段を上り詰めていく。恋人もでき、との交友もあり、生活も華やかになってはいく。それでも自分の心が満たされることはなく、やがてウォーホルが他界。バスキアはドラッグに溺れていくこととなる。

主人公バスキアを演じるは、ジェフリー・ライト(『ハンガー・ゲーム2』)。ウォーホル役がなのは観る前から知っていたが(ボウイの4枚目のアルバム『Hunky Dory』には、ウォーホルを歌った曲がある)、ウォーホルの友人役でデニス・ホッパー、バスキアの仲間のひとりに、ジャーナリスト役で、ビジネスパートナーのひとりに、身元不明だがバスキアと交友を持つ女性(がモデルという話もあるらしい)にコートニー・ラヴ、といった具合で、実はかなりの豪華キャストだ。

そして音楽も注目。監督したのはジョン・ケイルで、劇中流れた曲も『Public Image』、ヴァン・モリスン『It's All Over Now Baby Blue(原曲はもちろん)』、『Waiting On A Friend』、ケイル『Hallelujah』など、なかなかツボな選曲。ボウイやコートニー・ラヴの出演とも相俟って、ロックファンには楽しみやすい作品になっている(ゲイリー・オールドマンは『レオン』や『エアフォース・ワン』などの作品でお馴染みだが、デビュー作は『シド・アンド・ナンシー』の役だった)。

アートに情熱を燃やしつつも、いつもどこか寂しげな表情を浮かべていたバスキア。富も名声も恋人も友人も彼を癒し切ることはできず、結局はドラッグで別世界に飛ぶことだけが彼の心のよりどころだったのだろうか。

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