*

マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)@Zepp Haneda2日目

マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)/スウェード(Suede)

スウェード渾身のパフォーマンスから約40分のセットチェンジを経て、今度はマニックスの番だ。客電が落ちてSEが流れた後に、前日と同じくニッキーを先頭にしてメンバー登場。ニッキーは、ゴールドのラメが入ったジャケット姿だ。

『Motorcycle Emptiness』でスタート。ジェームスは、ギターを弾きながらくるくる回ったり、向かって左の方にまで足を伸ばすなど、マイクスタンド前に収まってはいなかった。続く『Everything Must Go』では、ショーンのドラムセットに不具合が発生したらしく、スタッフがセッティングする間にジェームスが少しMCでつないでからスタート。こういうこともある。

この日も、『Still Snowing In Sapporo』を披露。前日のライヴを受けて、周辺を少し調べていた。93年10月の2度目の来日公演はほぼ全国ツアーとなり、その最終地が札幌ペニーレインだった。このときに見た光景、そしてそのときの心情を思い出して、ニッキーは歌詞を書いた。4人はなぜあそこまで強くなれたのだろう、そして打ちのめされるのに、という歌詞には泣けてくる。

この後にニッキーが「93年にサッポロに行ったときの~」というMCがあり、続いてリッチーの名前も出た。それを受けて『Little Baby Nothing』となり、この曲はニッキーとリッチーで詞を書いた曲だ。この90年代前半の頃、バンドは常にギリギリの状態だったのではないだろうか。それが、2023年もこうしてバンドが日本に来てくれていると思うと、感慨深いものがある。

『A Design for Life』は、もともと美しさに秀でた曲だが、ある時期オーラスだったこともあり、一瞬だがこれでライヴが終わっても、という気にさせられる。ショーンのドラムによるアウトロでは、ジェームスとサポートのふたりが両手をおおきく振って手拍子を誘導。ニッキーは、左手にベースをもっていることもあってか、右手を頭上に軽く叩いていた。

この後、ほかのメンバーが捌けてジェームスのソロとなるが、ここで『(I Miss the) Tokyo Skyline』をワンコーラスやってくれた。実はこれは読んでいて、もしかして『Still Snowing In Sapporo』と日替わりになるのではと想定していた。どちらも日本にアイディアを得た曲で、同時に聴けて感激だ。その後のアコースティックは『This Is Yesterday』で、こちらも嬉しかった。

黒ジャケットに着替えたニッキーがジェームスを紹介し、『Slash ‘n’ Burn』へ。ジェームスは歌のパートを一部飛ばして、向かって左側でギターを弾きまくり。そして、比較的近年の曲でもある『International Blue』は、ライヴのマストソングに加わった感がある。

オーディエンスの呼びかけにジェームスが応じたことから、少しの間ふたりでの会話になった。彼女の名前を聞いたジェームスは、メンバーたちを雑に紹介(笑)。その後正式にニッキーとショーンを紹介して、『You Love Us』からの『If You Tolerate This Your Children Will Be Next』へ。最後の最期、ジェームスは両手を挙げて手拍子をし、オーディエンスも応え、場内が一体感に包まれた。

セットリスト
Motorcycle Emptiness
Everything Must Go
1985
You Stole the Sun From My Heart
Still Snowing In Sapporo
Walk Me to the Bridge
From Despair to Where
A Design for Life
(I Miss the) Tokyo Skyline(One Chorus)
This Is Yesterday(Acoustic)
Slash ‘n’ Burn
Your Love Alone Is Not Enough
Enola/Alone
International Blue
Stay Beautiful
You Love Us
If You Tolerate This Your Children Will Be Next

今回ほど、マニックスが親日家であることを実感させてくれたことはない。日本をテーマにした2曲を聴けたが、これらは日本だからこそライヴで演奏できた、演奏してくれたと言っていいはずだ。そして、冒頭の『Motorcycle Emptiness』は、ミュージックビデオを東京で撮影しているし。もちろん、日本関連だけでなく、ライヴトータルとして素晴らしかったし、それに応え続けたオーディエンスも素晴らしかった。

関連記事

マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)、Nano-Mugen.Fes2009に出演(後にキャンセル)

さて、ワタシのナノ・ムゲン2009でのメインであるマニックスだが、来日はおととしのサマソニ以

記事を読む

マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)@Studio Coast Day1

マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)@Studio Coast Day1

『National Treasures』2夜連続ライヴの第1夜だった。 まずは、オープ

記事を読む

CROSSBEAT Special Edition マニック・ストリート・プリーチャーズ

2018年、アルバム『Resistance Is Futile』のリリースにリンクさせるよう

記事を読む

マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)『Generation Terrorists (20th Anniversary Edition)』

マニック・ストリート・プリーチャーズが1992年に投下したデビューアルバム、『Generat

記事を読む

マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)『The Holy Bible (10th Anniversary Edition)』

マニックスは昨年、サードアルバム『The Holy Bible』を全曲演奏するライヴを、開催

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑