*

第三の男(1949年)

公開日: : 最終更新日:2023/01/02 サスペンス

第三の男(1949年)

アメリカ人作家のマーティンズは、友人ハリーに呼ばれて終戦後のウィーンにやってきたが、ハリーは自動車事故で亡くなり、葬儀が行われていた。警察からハリーは闇商人だったと聞かされたマーティンズは、ハリーの恋人だったアンナに接触しつつ、死の真相を探る。ハリーの事故を目撃した人物が3人いることをつきとめ、2人まではわかったが、「第三の男」についてはわからなかった。そんな中、死んだと思われていたハリーがマーティンズの前に現れる。

走る車と背景とが明らかにずれていたり、モノクロということもあり市街地におけるキャラクターの動きが今ひとつわかりにくかったりはする。また、ストーリー的にも疑問が残るところがいくつかある。ハリーはなぜマーティンズを呼び出したのか。終盤大詰めで、警察の囮となったマーティンになぜ接触しようとしたのか。接触して、何をどうしようとしたのか。原作の小説があるらしいので、そちらには描写されているのだろうか。

しかし、上記の不満を補える場面もある。クライマックスでの地下水道における、逃げるハリーと追う警察とマーティンとの攻防は、臨場感に溢れている。まっすぐな道を淡々と歩くアンナと、彼女を横目に見るマーティンズのラストシーン。そして、この映画と言ったらやはり観覧車でのシーンだ。

関連記事

落下の解剖学(ネタバレ注意)

落下の解剖学(少しネタバレ)

雪深いフランスの山荘で、作家の男が転落死する。妻で同じく作家のサンドラが、殺人容疑で逮捕され

記事を読む

9人の翻訳家

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(ネタバレあり)

ベストセラー小説『デダリュス』の続編となる第3作の翻訳が、フランスのとある豪邸の地下でおこな

記事を読む

オデッサ・ファイル(1974年)

1960年代の、西ドイツのハンブルグ。フリーライターのミラーは、自殺した老人の日記を偶然入手

記事を読む

ナイトクローラー(ネタバレあり)

ナイトクローラー(ネタバレあり)

鉄を盗んで売っているルー。あるとき自動車事故に出くわすが、現場を撮影するカメラマンを見て触発

記事を読む

ウインド・リバー(ネタバレあり)

ウインド・リバー(ネタバレあり)

アメリカ北部の冬場は雪に覆われた極寒の地、ワイオミング州のウインド・リバー地区。野生生物局の

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑