坂本慎太郎@フジロック’21
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Fuji Rock Festival'21 フジロック

演奏が始まったと同時に、PAからレーザー光線による映像が発せられ、それがステージに向けてではなく、ステージ両サイドの森に照らされた。野外ステージというより、夜のフィールド・オブ・ヘヴンだからこそ、できて映える演出だ。
バンドは、スーツ姿の坂本、女性ベーシスト、ドラマー、そしてフルートやサックスの奏者の4人編成。坂本はギブソンSGを弾き、時折曲間でチューニングこそすれど、別のギターに交換することなく、この1本でライヴを成立させていた。曲調はほとんどがミディアムで、ゆらゆら帝国のときのような緊張感をビシビシ発するスタイルではなく、リラックスして演奏しているように見えた。
ベースとドラムのリズム隊ももちろん存在感を放っていたが、一歩も二歩も抜けていたのがサックス奏者だ。果たして原曲通りなのかそれとも即興演奏なのか、時折かなりフリーキーなプレイに走っていて、それが坂本のギターとのいいコンビネーションになっていた。これは、もちろんゆらゆら帝国のときにはなかったことだ。
終盤の『ナマで踊ろう』で、坂本の変態的かつ壮絶なギターソロが炸裂。それまでのどことなくゆるい雰囲気から一気にギアが入った。必ずこういうモードにシフトするだろうと思っていたので、嬉しかった。ここで終わってもいいくらいだったが、坂本は更に演奏を続け、終わってみれば持ち時間を5分ほど過ぎていた。さらっとメンバー紹介した中に、映像・山ちゃんとも言っていた。
観るのは、2018年のヨ・ラ・テンゴのゲスト出演以来だった。このときは中盤から坂本の声が不調になるという、少し残念な結果になっていた。しかし今回は、当然だがそんなこともなく、この人の世界観を存分に発揮してくれた。
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