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名盤ドキュメント キャンディーズ『年下の男の子』

公開日: : 最終更新日:2023/12/12 キャンディーズ

GOLDEN☆BEST キャンディーズ コンプリート・シングルコレクション

不定期に放送されている、「名盤ドキュメント」シリーズ。キャンディーズ4枚目のアルバム『年下の男の子』を中心とする、グループのヒストリー番組を観た。

スクールメイツのメンバーだった、伊藤蘭(ラン)、田中好子(スー)、藤村美樹(ミキ)の3人。バラエティ番組にも出演し、既に顔を売ってはいたが、彼女たちの歌はなかなかヒットしなかった。事務所(ナベプロ)の意向として、スーだけを残して解散させるという話もあったそうだ。

起死回生となったのが、5枚目のシングル『年下の男の子』。それまでセンターだったスーを、ランに交代。これが当たってヒットに結びついた。なぜ、当初はスーがセンターだったか。3人の中で、彼女が最も歌が上手かったからとのこと。では、なぜランをセンターにしたのか。ファンレターの7割が、ラン宛だったからだそうだ。

アイドルという枠組みではあったが、彼女たちはそれぞれ技量に秀でていた。ユニゾンでは、まるでひとりで歌っているかのような一体感があった。ミキは、両親が音楽家という血統もあってか、絶対音感を持っていた。レコーディングでは、彼女がハモりを入れることが多かったそうだ。

彼女たちを手がけた松崎、穂口、そして水谷公生は、グループサウンズ期にアウト・キャストというバンドで活動。残念ながらヒットは果たせず短命に終わったが、その後プロデューサーやセッションギタリストとして活躍していた。水谷は長きに渡り浜田省吾を支えたギタリストで、『春一番』のイントロの、アイドルソングとは程遠いロックバンドのようなリフは、この人によるものとわかった。

番組には、上記の3人のほか、秋元康や映画監督の犬童一心らがコメントを寄せていた。犬童は、解散時のムーヴメントを自主制作映画として撮影。秋元は、後に自分が手がけるおニャン子クラブやAKB48、乃木坂46らのアイドルグループの原形が、キャンディーズになるかもしれないと語っていた。

解散宣言は、事務所やスタッフに事前の相談なく、彼女たち3人だけで決めたことだそうだ。当時のアイドルは、体力を酷使した活動だったのではと想像する。解散後、一度も再結成はしていない。田中好子が2011年に亡くなっているため、永遠にして伝説のグループになってしまった。

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