サンダーボルツ*(ネタバレあり)

CIA長官のヴァレンティーナ(ヴァル)は、かつて自身が指揮していた軍事企業オックス社での非人道的実験などが露呈しかかり、裁判にかけられていた。エージェントのエレーナは、ヴァルの命を受け、その証拠隠滅の任務をこなしていた。彼女はヴァルに次が最後の任務と約束させて、研究所に向かう。
エレーナは所内でターゲットのゴーストことエイヴァと対決しようとするが、U.S.エージェントことジョン・ウォーカー、タスクマスターもその場にいて、互いに牽制。ゴーストがタスクマスターを倒すが、格納ボックスから記憶を失った男ボブが現れ、事態は混沌とする。エレーナは、「証拠」である自分たちをまとめて消すことがヴァルの狙いと気づく。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の34作目。エレーナはレッドルーム出身の元暗殺者、ジョンは2代目キャプテン・アメリカに指名されるものの、精神不安定で家庭内に問題を抱える。ゴーストは、『アントマン&ワスプ』に出ていたキャラ。彼らは、研究所脱出後にエレーナの義父アレクセイと合流。その後彼らをヴァルの部下から救ったのは、ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズだった。
キャッチコピーは、スーパーヴィランが集結したアベンジャーズとのことだが、彼らがそこまでダークサイドに染まっているようには見えなかった。裏の世界では優れたエージェントとして機能していたと思い、エレーナが自嘲気味に負け犬と称していたのもなんでかな?と思った(彼女は義姉ナターシャを意識していた、とはいえ)。
個人的には、バッキーが息の長いキャラクターになっていることが感慨深い。『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー』から登場し、『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』では洗脳のせいもあったがヴィランの側にいた。本作では、なんと議員になっていてヴァルを追い詰めようとしている。
一方、タスクマスターことアントニア(『ブラック・ウィドウ』に出ていたキャラ)が、ゴーストにあっさり倒されてしまったのにびっくりした。
本作のキーパーソンは、実は謎の男ボブだ。人体実験に耐えきったことで驚異的な能力を身につけ、一時はニューヨークを漆黒に染めてしまう。ボブの中にふたつの人格があることを感じたエレーナたちは、彼の精神世界に入って対話する。ちょっと、『インセプション』っぽい。
エレーナはフローレンス・ピューで、昨年『オッペンハイマー』で主人公の愛人役を演じたことを経て、役者としてひと回り大きくなった感がある。バッキーのセバスチャン・スタンをはじめ、他の作品で既に出演歴のあるキャラクターは、同じ人が引き続き演じている。ボブはルイス・プルマンという人で、『トップガン マーヴェリック』にも少し出演していた。
エンドロール後のポストクレジットシーンは結構長めで、そしてまた別のユニバースとの連携の予感。
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