*

BECK(2010)

公開日: : 最終更新日:2023/04/11 邦画

BECK(2010)

先輩のパシりに使われる、気弱な高校生コユキ。ある日ニューヨーク帰りの南竜介と知り合い、ギターをもらって練習する。竜介はベースの平、ヴォーカルの千葉とバンドを結成。竜介の犬の名前をとって、バンド名をBECKとする。コユキの同級生サクはドラムで、そして、実は才能を秘めていたコユキも、バンドに加入する。

原作マンガの前半部分を実写映画化している(ワタシは未読)。キャストは結構豪華だ。コユキを佐藤健、竜介を水嶋ヒロ、千葉を桐谷健太、平を向井理、竜介の妹を忽那汐里、コユキのギターの師匠にカンニング竹山。ほか、何人かの芸能人がそれぞれちょっとだけ出演している。ワタシがわかったのは、千葉のバイト先店主の竹中直人と、松下由樹演じるイベント会社社長の姉のもたいまさこの2人。

水嶋ヒロはこのとき既にブレイクを果たしていて、向井は朝ドラ『ゲゲゲの女房』に出演していた頃。佐藤健は、この後当たり役となる『るろうに剣心』に主演する。揃えた顔ぶれとしては、申し分ない。

ただ、ストーリーや設定にはツッコミどころ満載だ。デビューからフェス出演まで、バンド活動としては順調すぎる。それほどキャリアも重ねていないはずなのに、3つ目のステージながら日没後にブッキングされている。仲間割れやら何やらで、最初ステージに立ったときのコユキはボロボロ。アマチュアレベルだ。その後の展開も、都合がよすぎる。

竜介をニューヨーク時代から追いかけ、フェスで厳しい条件を突きつけてくるレオン・サイクスが、誰だかわからない外人俳優を使っていて、どうにも安っぽい。マンガなら許容できるのが、実写にすると厳しくなってしまう典型的な例だと思う。

公開時は酷評されたそうだ。その最大の焦点が、コユキのヴォーカルが無音でファンタジックな映像になっている点で、これ予備知識なしに劇場で観たら確かにキツいと思う。ワタシは原作者の意向とあらかじめ知って自宅でくつろぎながら観たので、ああこれは観る側のイマジネーションに委ねるということね、と思ったけど。

フェスのロケは、苗場のフェスティバルのステージや音響設備を使い、フェスの翌日撮影したのだそうだ。フェス名はグレイトフル・サウンドとされていて、BECKが出演したサードステージは、たぶんフィールド・オブ・ヘヴンで撮影が行われたのだと思う。

関連記事

CASHEERN(キャシャーン:2004年)

大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合との長きにわたる戦争の中、各地でテロ行為が頻発するという時

記事を読む

ミステリと言う勿れ劇場版

ミステリと言う勿れ劇場版(少しネタバレ)

広島の美術館を訪れていた久能整は、女子高生の狩集汐路に遺産相続問題の相談を持ちかけられる。汐

記事を読む

ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲(2010)

ゼブラーマンがエイリアンから地球を守った後、突如姿を消してから15年。2025年の東京はゼブ

記事を読む

フラガール(2006年)

昭和40年の、福島はいわき市。人々の多くは石炭を掘る炭坑夫として働くが、閉山が相次いで職を失

記事を読む

白い巨塔(1966年)

山崎豊子原作の小説で、何度となくテレビドラマ化もされている作品である。最初の映像化は、196

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑