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ジョン・ウィック:コンセクエンス(少しネタバレ)

ジョン・ウィック:コンセクエンス(少しネタバレ)

ニューヨーク地下世界を束ねるキングのもとで心身を立て直したジョン・ウィックは、ヨルダンに行き主席連合の首領を射殺。しかし、今度はグラモン侯爵が主席連合の筆頭となり、ニューヨーク・コンチネンタル・ホテルの廃業を指示。ウィンストンを支配人から下ろし、コンシェルジュのシャロンを射殺してしまう。

ジョンは、旧友のコウジを頼ってコンチネンタル・ホテル大阪に身を寄せる。しかし、グラモンは殺し屋ケインを雇い、自身の部下と共にホテルに突入させる。コウジはジョンを逃がした後、娘のアキラの目の前でケインに殺されてしまう。ジョンはウィンストンの助言により、主席連合の掟である1対1の決闘をグラモンに申し込むことに。その条件として、かつて所属していた組織ルスカ・ロマに再加入するため、ベルリンに向かう。

シリーズ4作目で、今回ジョンは世界中あちこちを飛び回っている。大阪のシーンが、思った以上に長く時間が割り当てられていた。桜の木々がやたらとあったり、グラモンの部下を迎え撃つ日本側の武器が弓矢メインだったり、鎧兜をガラスケースで展示していたりと、外国人が描くズレた日本の描写が、ここでもされているのは致し方ないところか。大阪と言いつつ、ホテルの外観は乃木坂の国立新美術館だった。

グラモンの拠点はで、ロケーションもパリ市内各地でされていた。ウィンストンがジョンが決闘を考えていることを伝える場はルーヴル美術館で、ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』の前でだった。決闘の場所は、モンマルトルの丘の上にあるサクレ・クール寺院の前だった。グラモンは決闘の前にジョンに掛けている賞金を釣り上げ、殺し屋たちは凱旋門周囲の路上でジョンと銃撃戦を繰り広げた。

キャストは、ジョンの、キングの、ウィンストンのイアン・マクシェーン、シャロンのランス・レディックはもちろん不動。ジョンことキアヌは今回も殺しまくっていて、どれだけ大勢に囲まれようとも相手の頭部や首を正確に撃って仕留めている。ランスは今年3月に亡くなっていて、エンドロールではこの人に捧ぐというテロップが流れていた。

コウジは、真田広之。活動拠点を海外に移して久しく、近年は話題作でも見かけるようになったが、本作での活躍ぶりはその最たるものではないだろうか。日本刀を手にしたときの立ち居振る舞いは素晴らしく、堂々と海外に出せる。娘のアキラは、リナ・サワヤマ。シンガーとしての躍進ぶりが目覚ましい彼女が、役者としても脚光を浴びているのはなんだか嬉しい。

ケインはドニー・イェンで、個人的には『ローグ・ワン』で観て以来になる。どちらも、盲目の役どころだった。グラモンは、ビル・スカルスガルドという人。まだ若い人なので、今後飛躍してくる人かもしれない。先代の主席連合の首領は実力不明だったが、グラモンは常に主導権を握りつつ、自らは前面に出ることなく権力を使い周囲を動かす狡さが、見ていてわかりやすい。

ラストがああなったので、直接的な続編が作られる可能性は低い。がしかし、プロモーションでは本作で完結とはうたっていなかったので、作られる余地を残していると思っている。調べたところ、前作『パラベラム』で少し描かれた、ベラルーシの地下コミュニティ出身のバレリーナをメインにしたスピンオフ作品が、来年公開されるようだ。

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