*

ジョジョシリーズのスピンオフも収録『死刑執行中脱獄進行中』

公開日: : マンガ版

死刑執行中脱獄進行中

シリーズ1本のように思われる荒木飛呂彦だが、短編集もいくつか出している。そのひとつ『死刑執行中脱獄進行中』は、表題作のほかいくつかの短編が収録されているのだが、ココにジョジョのスピンオフ作品が3編ある。

ひとつは、『岸辺露伴は動かない-エピソード16:懺悔室-』。第4部に登場する漫画家岸辺露伴を語り部としていて、しかも、時間軸的には第4部で岸辺が東方仗助と対決して入院した後、漫画休載中に取材のためにイタリアに旅行に行ったときの出来事と読み取れる。岸辺が懺悔室を調べているところに懺悔をする人がやってきて、岸辺は自分が神父ではないと名乗らずに聞いてしまうというものだ。

あと2つは、『デッドマンQ』。なんと主人公が吉良良影だが、ただし幽霊。スタンド能力と生前の自分の記憶がなく、尼僧の依頼により殺し屋をやっていた。ちょっとしたヒーロー然たる役どころで、かつクラシック音楽へのこだわりを見せるなど、第4部のときと同様独特の性癖がある。しかし、荒木飛呂彦はもっかの最新作である第8部の『ジョジョリオン』にも吉良を登場させていて、よほど吉良が気に入っていると見える。

さて表題作だが、死刑囚の男がホテルの一室のような牢獄に通されるが、何かに触れようとすると蜂にさされたり指を切断されたりし、つまりこの牢獄が既に死刑執行の場になっているという具合。ジョジョの世界観に近いものがあり、興味深い。

関連記事

ジョジョの奇妙な冒険 第4部:東方仗助

第3部から10年後の1999年、日本のS市杜王町が舞台。現在は、「ダイヤモンドは砕けない」と

記事を読む

ジョジョの奇妙な冒険 第6部: 空条徐倫 ―『石作りの海』(ストーンオーシャン)

2011年のアメリカが舞台で、単行本のカウントが1からになっている(ジョジョシリーズ連番も併

記事を読む

ジョジョの奇妙な冒険 第5部:ジョルノ・ジョバァーナ

第4部から2年後の2001年、今度はイタリアが舞台。承太郎の命を受けた広瀬康一が、ある男の身

記事を読む

ジョジョの奇妙な冒険 第2部:ジョセフ・ジョースター

第1部から50年後の1938年が舞台で、ジョナサンの孫ジョセフが主人公。現在は「戦闘潮流」と

記事を読む

ジョジョの奇妙な冒険 第8部:ジョジョリオン

現在月刊ウルトラジャンプ連載中のジョジョ最新作が、第8部『ジョジョリオン』だ。 舞台は

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑