名探偵コナン 隻眼の残像(少しネタバレ)
公開日:
:
名探偵コナン
長野県警の大和敢助は、山中で仮釈放中の被疑者を追ううち、何者かに左目を撃たれ、雪崩に巻き込まれてしまう。大和は救助されたが、そのときの記憶を失っていた。それから10カ月後、毛利小五郎のもとに元同僚の刑事鮫谷から連絡が入り、日比谷公園で待ち合わせることに。しかし、鮫谷は公園で小五郎と会う直前に何者かに射殺されてしまう。
鮫谷が10カ月前の長野の事件を調べていたことがわかったことから、警視庁捜査一課は長野へ向かい、小五郎は参考人として同行。コナンと毛利蘭は小五郎に拒否されるが、阿笠博士と少年探偵団一行が足を運んでいる長野の天文台に向かい、合流。やがて、長野県警の面々ともコンタクトをとる。
『名探偵コナン』の、劇場版第28作目になる。舞台はほとんどが長野の山中と天文台で、長野県警の大和、諸伏高明、上原由衣がキーパーソンに。入院中の大和の世話係で捜査に同行する山梨県警総務課の林は、実は隠れ公安。風見の指示で、コナンに盗聴器を取り付ける。コナンは気付きつつ、風見や安室を逆利用して情報収集を依頼する。
頭脳派で知性派の高明が、アクティブなのが新鮮かつカッコいい。冷静に立ち回っていたが、中盤では氷の下の池に落ちて生死を彷徨い、弟の景光と遭遇。景光は助けに来たと言うが、高明は景光が公安に入り既に亡くなっていると思っていたので、そこで正気を取り戻して浮上する。大和と上原の、捜査の会話をしつつ私的な意味合いも含めている微妙な距離感も面白い。
実際はほとんどダメ探偵で、コナンによって「眠りの小五郎」として事件を解決し名探偵なことになっている小五郎だが、今回はキーパーソンのひとりだ。刑事時代から射撃の腕は一級品で、今回はゴタゴタした状況もあるが大和や風見の拳銃を使い、きっちり仕留めている。新一(コナン)からのメールを読んだとはいえ、今回は「眠らずに」事件のタネを明かしている。
諸伏高明は速水奨で、個人的には『超時空要塞マクロス』のマックスや『聖戦士ダンバイン』のバーン・バニングス、『重戦機エルガイム』のギャブレット・ギャブレーなどで馴染んでいた人だ。鮫谷は、『TIGER&BUNNY』の虎徹などの平田広明。東京地検の検察官長谷部は関智一で、この人は今後ちょくちょく出てきそう(正体も別にある)。
ゲスト声優はふたり。ひとりは、天文台の研究員に山下美月。出番がわずかでセリフも少なかったので、気付かなかった。もうひとりは、山田孝之。こちらはかなり重要な役どころで出番もセリフも豊富だったが、少しぎこちなかったと思う。
既にテレビシリーズの方で明らかになっているが、安室透の声優は草尾毅。前任者の声質に特徴がありすぎるためまだ違和感があるが、物語の進行に沿ううちに慣れていくと思う。
関連記事
-
-
名探偵コナン 紺青の拳(2019年)
シンガポールで開催される空手トーナメントに出場する京極真の応援のため、毛利小五郎と娘の蘭、蘭
-
-
名探偵コナン 14番目の標的(1998年)
名前に数字が入った人物が、次々に襲われる事件が発生。目暮警部や阿笠博士、そして毛利小五郎と別
-
-
名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年)
警察庁に謎の女が侵入し、機密情報を閲覧。公安の風見に気づかれて逃走する女を、風見の上司である
-
-
名探偵コナン 異次元の狙撃手(2014年)
鈴木財閥が建設したベルツリータワー(東京スカイツリーがモデル)のオープンセレモニーに招待され
-
-
名探偵コナン 黒鉄の魚影(少しネタバレ)
コナンたち一行は、ホエールウォッチングツアーで八丈島へ。島の近海にはインターポールの施設「パ