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高橋幸宏さん(YMO、Beatniks、Sketch Show、Metafive)死去

YELLOW MAGIC ORCHESTRA『SOLID STATE SURVIVOR』

さんが亡くなられた。午前2時頃にスポニチの記事によって報じられたのが最初で、先ほど17時すぎに公式ツイッターにより声明がされた。2020年に脳腫瘍で手術し、以降は闘病中であることが公表されていた。死因は、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎とのこと。11日に死去。享年71歳だった。

ジシャンとしての活動は、長期かつ多岐に渡っていた。サディスティック・ミカ・バンドのドラマーに始まり、サディスティックス、と組んだ、鈴木慶一と組んだビートニクス、原田知世をヴォーカルに迎えたpupa、細野とのユニットSketch Showや更に坂本も加わってのHuman Audio Sponge(HAS)、からのYMO再結成、そして小山田圭吾・LEO今井・砂原良徳・テイトウワ・ゴンドウトモヒコとの。自身のソロ活動も、もちろんある。

ファッションデザイナーの顔もあり、自身のブランドを持っていた。YMOでの人民服は、幸宏さんのアイディアだったとのこと。いや、もしかしたらほとんどの音楽活動で、衣装を担っていたのかもしれない。俳優としての顔もあり、映画だけでなくテレビCMにも出演していた。オールナイトニッポンのパーソナリティーを、務めていたこともあった。

もともとの立ち位置はドラマーだが、ギターも弾くし、コンピューターも駆使するし、もちろん曲も書く。個人的には、ヴォーカリストのイメージが強い。YMOではほとんどの曲でリードヴォーカルを担っていて、ソフトで耳当たりがいい声は日本人的だと思う一方、ロックのサウンドとの相性も抜群だった。

世の中的にも、個人的にも、やはりYMOのイメージが突出していた。その影響力は、国内はもとより海外にまで波及していた。スペインのテクノ系フェスのソナーでHASを、のメルトダウンフェスでキュレーターのマッシヴ・アタックがYMOを、それぞれオファーしたというエピソードには、日本人として誇らしく思った。

が2014年にワールドツアーをおこなった際、アンコールでは公演地に関連のあるアーティストの曲を演奏するなり流すなりしていた。この年彼らは、フェスティバルにヘッドライナーとして出演。彼らが日本のどの曲をチョイスするのか、いや、そもそも日本が世界に誇れるアンセムなどあるのか、と、あまり希望を持てずにその瞬間を待った。彼らが選んだのは『Rydeen』で、この手(曲)があったかと、納得した気分になった。

個人的に幸宏さん関連のライヴを観たのはすべて21世紀以降で、遅れてきたファンを自認している。それでも、ありがたいことに計10回以上は観させてもらった。件名には実際にライヴを観たプロジェクトをカッコ書きしたが、ミカ・バンドについては、再々結成時のPV撮影でエキストラ応募に当選して参加させてもらったことがあった。

昨年9月には、ご本人の出演はならなかったが、「LOVE TOGETHER 愛こそすべて」と題された50周年ライヴにおじゃまさせてもらった。ライヴ中、ハウスバンドのベーシスト高桑圭が、来年(つまり今年)復帰した幸宏を迎えて今回と同じようなライヴをやりたいと言っていた。ほかの出演アーティストも、観客のワタシたちも、同じ気持ちだったと思う。それが叶わなくなったのはとても残念だが、幸宏さんが遺した音楽は今後も生き続ける。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

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