エヴァンゲリヲン新劇場版:序
旧劇場版の公開が1997年。それから10年を経て、「新劇場版:序」が公開された。今回は4部作になると言われていて、雅楽の「序波急」からの引用で第1作が「序」だそうだ。「旧」は、1990年代に公開された21世紀の物語なので、「新世紀」がタイトルのあたまにつく。対して「新」は、セカンドインパクトから15年後というのは同じだが、何年という表記は一切なく、また「新世紀」もついていない。
碇シンジは、父ゲンドウに呼び出されて第三東京市を訪れ、エヴァ初号機に乗って使徒と戦う。父への反発や使徒と戦う恐怖感などから何度かエヴァ搭乗を拒否するが、上官であり葛城ミサトに諭されもし、また、命令だからと割り切る綾波レイを助けるべく、覚悟を決める。
今回の「序」は、「旧」テレビ版だと六話くらいまでにあたり、まさに始まったばかりだ。細かい設定が変わっていたり、「旧」にはなかったシーンがあったりと、新しい解釈が組み込まれているのが伺える。
ミサトがシンジにリリスを見せたり、シンジを見捨てようとするゲンドウをミサトが説得して作戦が続行されたりというのは、「旧」にはなかった要素。ミサトは事の中心にいながら真相をほとんど知らないというのが「旧」だったが、今回はそうでもないようだ。また、シンジの内向性が薄まっている気もする。一方で、全く同じセリフを言っているシーンがいくつかあったことにも気づかされた。新展開を打ち出そうとしていながらも、あえていじらずに活かしているところがあるんだなと思った。
しかし、ぶっちゃけ物足りない。まだアスカも加地も出てきてないし。
が・・・、ヤシマ作戦後、ラスト近くで突如衝撃の展開が。月の裏側にて棺から渚カヲルが目覚め、モノリス状のゼーレのキールと会話。そして、「また3番目か。変わらないな」という、思わせぶりな発言が。解釈は分かれるが、コレはやはりシンジに対して言ったと思われ、この「新劇場版」が「旧」のその後の世界なのではという、輪廻説となっている。
劇場公開であるにもかかわらず、テレビの次回予告のような「破」の予告が最後に。新キャラや新型エヴァが登場する。
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