*

Pen (ペン) 2012年 9/1号 サイボーグ009完全読本

公開日: : 最終更新日:2021/01/29 サイボーグ009

Pen (ペン) 2012年 9/1号 サイボーグ009完全読本

penという、ファッションやアート、音楽などのカルチャーをテーマとする雑誌がある。2012年9月に、の代表作である『サイボーグ009(以降「009」)』をテーマにした号が発売された。

1964年に連載が開始され、当時は「地下帝国ヨミ編」にてストーリー的に完結。ブラックゴーストの首領と対決し、009島村ジョーと002ジェット・リンクの死を匂わせるラストは、この書では完璧と絶賛されている。しかし、読者からは続編を望む声が多く、以降は掲載誌を変え、実に15誌以上に渡ったとのこと。そして、1998年の石ノ森の死によって未完となってしまった。しかし21世紀に入り、完結編が制作。石ノ森の長男で作家・俳優の小野寺丈による小説版と、かつて石ノ森のアシスタントをしていたマンガ家2人によるマンガ版の2種類が刊行されたそうだ(ワタシはいずれも未読)。

石ノ森が「009」を書くきっかけとなったのは、1961年の世界旅行だそうだ。マンガ家として多忙を極め、自分の時間が持てなくなったことがきっかけとのこと。しかし当時は気軽に海外旅行できる情勢ではなく、アメリカの展示会を取材するという名目で申請したそうだ。世界各国を巡り、また飛行機の機内で読んだ雑誌『LIFE』のサイボーグ特集が、石ノ森を刺激した。今でこそSFが普及しサイボーグは浸透しているが、1960年代前半となると、先鋭的なアイディアだったのではないだろうか。

「完全読本」というだけあって、原作について細かい解説がされている。00ナンバーの生い立ちやキャラクター、各編の概要、敵キャラなど。何度もされているアニメ版も、もちろん扱っている。いちばん最初が劇場版だったが、007グレート・ブリテンが子供になっていて、それに石ノ森はクレームを入れたそうだ。「仮面ライダー」をはじめ特撮ヒーローものは他者に制作を委ねていたことから、クレームを入れたという話は珍しいと思った。この号の発売は、「009 RE:CYBORG」の劇場公開にリンクしている。

関連記事

Pen BOOKS 石ノ森章太郎とサイボーグ009

雑誌Penでは、2012年9月の月刊号にてサイボーグ009の特集を組んでいた。そして2018

記事を読む

009 RE:CYBORG(2012年)

2013年。世界各地で高層ビルを破壊するテロ事件が頻発。テロ実行犯のうち何人かは「彼の声を聞

記事を読む

サイボーグ009 完結編 conclusion GOD’S WAR

石ノ森章太郎の代表作『サイボーグ009』。石ノ森は、自らの手で完成させることなく1998年に

記事を読む

サイボーグ009超銀河伝説(1980年)

宇宙に渦巻く強大なエネルギー、ボルテックス。悪の帝王ゾアは、宇宙で侵略行為を繰り返しつつ、ボ

記事を読む

サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER

石ノ森章太郎の代表作、『サイボーグ009』。何度もアニメ化されているが、2001年から200

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑