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ピンク・フロイド(Pink Floyd)のシド・バレット(Syd Barrett)さん死去

公開日: : 最終更新日:2020/06/06 Pink Floyd

Pink Floyd『夜明けの口笛吹き』

シド・バレットさんが亡くなった。死因は糖尿病で、60歳だった。

この人はピンク・フロイド創設時のメンバーで、ギターとヴォーカルを担当していた。しかし、実質的にフロイドとして活動したのはファーストアルバムだけで、以降は精神を病みドラッグに溺れていく。2作目では曲作りにのみ参加するが、これを最後にバンドを脱退。ソロとしても2枚のアルバムを発表しているが、それ以降は音楽活動を引退している。これは、この人の年齢的には30代前半から中盤にかけてのことだ。

個人的には、ピンク・フロイドというと浮かぶのは『原子心母』であり、『狂気』であり、『炎』であり、『Animals』であり、『The Wall』である。つまりはバレットさんが脱退した後、ロジャー・ウォーターズとデイヴ・ギルモアとのせめぎあいからロジャーが表現者として覚醒していく過程こそがフロイドの醍醐味だと思ってきた。2002年にロジャーがソロ来日するのに合わせ、それまで聴いたことのなかったフロイドのアルバムもひと通り集め、初期2枚はそのときに初めて聴いた。ファーストはサイケがかったギターロック、セカンドは以降しばらく続く音響志向の兆しが伺え、特にファーストにはかなりの違和感を覚えていた。その違和感こそが、シド・バレットその人の個性だったのだ。

バンドを脱退しても、残されたメンバーの中にこの人の存在は大きくのしかかった。とすれば、今回の死を機会として、フロイド再編なんてことが起こりうるかもしれない。謹んで、ご冥福をお祈りします。

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