ジュラシック・ワールド/復活の大地(ちょこっとネタバレ)
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ジュラシック・パーク ジュラシック・ワールド, スカーレット・ヨハンソン

現代の地球環境は恐竜には合わず、生息が可能なのは赤道周辺の熱帯地域のみ。その地域は、国際的に進入禁止区域に指定されていた。製薬会社のマーティンは、新薬開発に必要な恐竜のDNA採取のために、元特殊工作員のゾーラを雇う。ふたりは生物学者ヘンリーを誘い、フランス領ギアナの島へ向かう。
ゾーラは、仲間のダンカンらと共に船で島に向かい、道中で恐竜にヨットごと襲われたデルガド一家を救出して、なんとか島へ到着。島ではかつて恐竜の研究がされていたが、トラブルにより施設は放棄。それから17年の間、変異した恐竜らによる無法地帯と化していた。
てっきり『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で完結したものと思っていたシリーズだが、新作が作られた。DNA操作により恐竜が現代によみがえるという世界観は継承されているものの、過去6作との直接的なつながりはほとんど見られない。
『ジュラシック・ワールド』3部作では、一時は娯楽用のパークとして開業し、人間と一部の恐竜とは共存できる可能性を示していた。しかし本作は、再びというか、『ジュラシック・パーク』3部作のようにやるかやられるかという世界になっていて、ぶっちゃけ人間などまるで及ばない。
そもそも今回は、製薬会社のマーティンが発端で、新薬開発に成功すれば企業は莫大な利益を得ることができる。ゾーラと彼女の仲間は多額の報酬目当てに雇われ、ヘンリーは博物館の恐竜ではなく生きた恐竜を見たいという科学者としての欲を刺激されて参加している。みな、島への侵入が違法行為であることを承知の上でだ。
生きるか死ぬかの状況が続き、ゾーラの仲間の何人かは犠牲になってしまう。一方、ゾーラたちとは別に島にたどり着いたデルガド一家は、武器を持たない中でもなんとか生き延びる。末娘のイザベラに小型の恐竜がなつくなど、ちょっとほっこりするシーンもある。
人の生死よりも利権を優先するマーティンには、『エイリアン2』でエイリアンを持ち帰ることを目的にしていたウェイランド社の男を思い起こさせる。そして、同じような最期を迎えている。そりゃそうなるわな。
ゾーラは、スカーレット・ヨハンソン。シリーズ出演を熱望していたとのことだ。役柄としては、身体能力に長け、冷静で状況把握にも優れている。金欲しさに島行きを引き受けたとは言うものの、最終的には正しい判断をする。マーティンが彼女の母親についてちょっとだけ言及していた気がしていて、この人の背景をもう少し描けばよかったかな。
観終わった直後は、パニック・スペクタクル色を濃くしすぎた内容に、これシリーズの名を冠してよかったのかなと思った(シリーズとの直接的なつながり、ワタシが気づいたのはヘンリーの発言のみ)。がしかし、恐竜による弱肉強食の世界こそ、まさに「ジュラシック・ワールド」なのではという見方もできる。
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