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フジロック’25(Fuji Rock Festival)を振り返る(2) – アーティスト編

フジロック’25(Fuji Rock Festival)を振り返る(2) – アーティスト編

【期待以上によかった】
山下達郎、ハイム、坂本慎太郎、おとぼけビ~バ~、ニューダッド、イングリッシュ・ティーチャー、離婚伝説

【期待通りによかった】
ザ・ハイヴス、OK Go、アス、アンサー・トゥー・リメンバー、君島大空、エッカ・ヴァンダル

【儲けもの】
森山直太朗

【まずまず】
ヴルフペック、ヴァンパイア・ウィークエンド、クリーピーナッツ、STUTS、MIYAVI、ALKDO

洋楽アーティスト9組、日本人アーティスト11組で、計20組を観た。ステージ別では、グリーンステージ8組、ホワイトステージ5組、レッドマーキー5組、フィールド・オブ・ヘブン1組、オレンジエコー1組という内訳に。奥地少なめ、結局グリーンステージ多めになった。

最初に出演するアーティストは、そのステージの1日の流れを作る重要な役割を担っている。増してや初日グリーンステージとなると、フェス全体の流れを作るといってもいい。アスの登場BGMがミッシェル・ガン・エレファントの『スモーキン・ビリー』だったのだから、やってくれたなとニヤニヤ。

そのアスが去年そうだったように、今年はニューダッドとイングリッシュ・ティーチャーがニューカマー枠として気を吐いた。ハイムやOK Goを10数年前にレッドマーキーで観たように、彼らには生き残ってもらい、数年後に別のステージで再会したい。離婚伝説は半分弱しか観られなかったが、大器の片鱗が感じられた。

石若駿がリーダーのアンサー・トゥ・リメンバー、ドラマーとして参加した君島大空は、石若のみならず全員テクニシャンで圧倒された。クリーピーナッツは序盤から全開、STUTSは多数のゲストを投入してまるでひとりフェス状態だった。

3日目はのんびりスタートする予定だったが、結果的に早く動くことができたので森山直太朗を観た。バンドスタイルだが、森山のシンガーとしての力量と、人々をピースフルにするMCが素晴しかった。個人的に、時間が決まっているフェスでは、しゃべるくらいなら曲演ればと思っているが、この人についてはその考えを浮かばせない説得力があった。

ハイヴスは2006年グリーンステージ以来に観たが、いい意味で変わっていなかった。この変わらなさ、1曲1曲を全力疾走する愚直さこそが、このバンドの魅力だ。おとぼけビ~バ~はMCでは毒を吐くスタイルだが、演奏力は高い。このライヴを以て産休に入るドラムのかほキッスが、ずっとにこにこしていたのが印象的だった。

ヘブンが似合う坂本慎太郎は、深夜のレッドマーキーにもフィットした。基本ゆったりしたスタンスでギターを弾きながら歌うスタイルだが、時折見せるギリギリ感は健在だった。OK Goは、スクリーンを使わず演奏のみで勝負をかけ、三姉妹バンドハイムは、次女ダニエルを軸としたロックバンドスタイルを確立させていた。

ヴァンパイア・ウィークエンドは、3年前にも観ていることや今回30分程度しか観れなかったこともあって、あまり感慨はなかった。ヴルフペックは、今年はさておき、今後エントリーされる場合はフィールド・オブ・ヘブンにしてほしい(フレッド・アゲインもね)。

グリーンステージのヘッドライナーは、その年のフジロックを代表する言わば「顔」だ。そのたった3つの枠には、とことんこだわっててほしい。第二のケミカル・ブラザーズは、生み出さないでほしい。

ベストアクトは、文句なしに山下達郎だ。単独公演を2回観たことがあり、クオリティの高さは知っていたが、フジロックとの相性もよかった。ヒット曲を数多く持っているアーティストは、それを立て続けに演奏するだけで場内の空気を支配できるが、達郎の場合前半は自分のスタイルを通した。この人らしいなと思っていたが、後半になって仕掛けてきた。

『プラスティック・ラブ』の1番を達郎が歌い、短い間奏のときに向かって左から竹内まりやが登場。歩きながら2番を歌い、達郎の隣に並んだ。その後は、3人いるコーラスに4人目として加わり、達郎をバックアップ。そして、怒涛のヒットナンバー攻勢に出た。『アトムの子』では、『鉄腕アトム』の歌詞も歌っていた。

竹内の登場は、実は半分願望で半分予想していた。まず、達郎のフェス出演は全くはじめてというわけでもなく、北海道のライジングサンや氣志團万博への出演歴がある。そして、SWEET LOVE SHOWERでは竹内が飛び入りしていた。少なくとも竹内も苗場には来るだろうと思ったし、何らかの形でステージに立ってくれるのではないかと思っていた。しかし、彼女がステージに姿を見せた瞬間、興奮のあまり「来た!来た!」と叫んでしまった。

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