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インデペンデンス・デイ(1996年)

インデペンデンス・デイ

巨大な円盤が、世界各国の上空に出現。異星人は惑星から惑星を渡り、その星で資源をむさぼっていた。テレビ局に勤務する技術者デイヴィッドが、衛星通信の混入するノイズから異星人の攻撃を察知。大統領補佐官の元妻に連絡をとり、大統領に助言。やがて各地は異星人の攻撃にさらされ、大統領一団はかつて墜落した円盤を保管してある軍の施設に移り、対策を練る。

異星人が侵略者であり、またその体型が人間型ではなく複数の足(手?)を持っている。核攻撃さえ受け付けない円盤のシールドを外すのが、コンピューターウィルスである。これらの設定は『宇宙戦争』(小説)を思わせるが、その後映画化された『宇宙戦争』が宇宙ホラーに留まってしまっているのに対し、本作には結構見どころがあると感じている。巨大な円盤は高度なCG効果の賜物だし、戦闘機による攻防戦は、『スター・ウォーズ』を彷彿とさせる。

そしてこの作品には、「この人」という主人公は存在しない。主要なキャラクターは、まずは若きアメリカ大統領で、政府や軍といった国家組織の象徴的な存在だ。最後の出撃に際しての演説は、名言と言っていい。ジェフ・ゴールドブラム演じるデイヴィッドは一般人の代表者的存在で、元妻とはこの緊急事態を機に再び心を通わせるようになる。そしてウィル・スミス演じる軍人は、子供のためにストリッパーとして働くシングルマザーの恋人と出撃前に式を挙げる。この恋人は、亡くなってしまう大統領夫人を最後まで介抱した人だった。

単なるSF/特撮ものと言い切ってしまうのは簡単だが、それぞれに地位も立場も境遇も人種も異なる人たちが、自分たちの星を守るために力をひとつに結集させていることこそが、この作品のテーマなのだと思う。

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