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リアム・ギャラガー(Liam Gallagher)@サマソニ’23

リアム・ギャラガー(Liam Gallagher)@サマソニ’23

これがヘッドライナーじゃないのか、というくらいの、尋常ならぬ空気感に包まれたライヴだった。わかっていたこととはいえ、枠が1時間なのがもったいなさすぎた。

SE『Fuckin’ in the Bushes』でスクリーンにリアムのフォトがランダムに映し出され、やがて「TOKYO SUN AUG 20」という、今日の日時が表示される。これだけでもう、テンションが上がってしまう。その中を、リアムとバンドメンバーが登場する。

『Morning Glory』『Rock ‘n’ Roll Star』と、オアシスチューン2連発で、場内が更に湧き立つ。ソロ曲『Wall of Glass』は、イントロのハーモニカ箇所をギターでこなしていた。リアムはこの暑いのにアーミーコート姿だが、足元の扇風機の位置は確認していた(笑)。

バンドは、前方にギター3人、ベースひとりが横並びになり、リアムのバックに備えている。後方向かってやや左にドラム、そしてその隣にはキーボードと思しき人がいたように見えた(この人だけスクリーンに抜かれなかった)。

ドラムセットはステージ向かって左端にも設置されていて、これはリアムの次男ジーン用だった。ジーンは『Better Days』『The River』の2曲でドラムを叩いていたと思う(うろ覚え)。サングラスをかけ、ローリング・ストーンズのTシャツを着たジーン、男前になったな。

リアムのソロということで、オアシス時代にはあまり取り上げられなかった曲も、今回演奏されている。『Be Here Now』からの『Stand by Me』ではサビをオーディエンスに歌わせ、『Standing On The Shoulder Of Giants』からの『Roll It Over』は、リアムの今回のツアーでライヴ演奏された曲と思われる。特に後者は、オアシス転換期に書かれた曲でもあり、日の目を見たのには感慨深いものがあった。

終盤、『Wonderwall』ではまたもサビの合唱となり、そしてラストは『Champagne Supernova』。アウトロのギターソロをメンバーが弾き続ける中、リアムはタンバリンと首にかけていたタオルをモッシュピットに投げ入れ、ステージを後にした。

オアシス時代、リアムは日本のオーディエンスはおとなしくて戸惑ったと発言している。確かに、曲間にしぃんとなってしまうことは何度もあり、本国イギリスでは絶対にそんなことにはならないだろうと思ったことがあった。しかしこの日は、始まる前から場内の雰囲気が異様で、開始後は興奮が一気に爆発したかのようだった。

ワタシは、幸運にも2度目以降のすべてのオアシス来日公演に行くことができたが、恐らくはオアシスを全く体感したことがない世代も増えてきて、オアシスが神格化されているのではないだろうか。再結成の噂が絶えないが、もし実現してしまったら、日本でも狂想曲状態になるのではと想像している。

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