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ディアンジェロさん(D’Angelo)死去

公開日: : 追悼 ,

CONTROVERSY: A TRIBUTE TO PRINCE

アメリカ人アーティスト、ディアンジェロさんが14日に亡くなられた。死因は膵臓がんで、ここ数年は闘病中だったとのこと。まだ51歳の若さだった。

ライヴは1度だけ観たことがあって、2015年サマソニ、マウンテンステージのヘッドライナーだった。それまでこの人の音楽を聴いたことがなく、サマソニエントリーをきっかけに聴くことにした。聴いてこなかったのは、「プリンスに似ている」という評判がひっかかっていたからだ。

「誰々に似ている」という表現は、リスナーからすればわかりやすい形容のひとつになるが、プロのアーティストとしては微妙な形容になることもある。もとのアーティストに似すぎ寄せすぎだと、結局そこまでの人と思ってしまう。出だしや売れ出した頃はそう言われてもいいと思うが、キャリアを重ねるうちに自身のアーティスト性を確立していくべきだと思っている。

ファースト『Brown Sugar』と、2015年リリースの『Black Messiah』を聴いた。確かに、ヴォーカルはプリンスに似ているところもあるが、演奏はバンド主体でこの人が前に出過ぎることがなく、音全体としてはジャズやフュージョンの要素が強いと感じた。この人は、自身のアーティスト性を持っていた。

サマソニ当日は演奏力の高さに圧倒され、バンドを自身のバックという扱いではなく、自身もバンドの一員というスタンスをとっていたのが、素晴らしいと思った。時折発するシャウトは、プリンスにそっくりだった。

プリンスを敬愛し影響を受けていることは、公言していた。『Controversy』というプリンスのトリビュートアルバムの冒頭に、この人による『She’s Always In My Hair』のカヴァーが収録されている。『Raspberry Beret』のカップリングで、決してプリンスのキャリアを代表する曲ではない。このチョイスが、まず偏愛ぶりを感じさせる。イントロのギターのリフを筆頭に、原曲よりもロック度が高い。ライヴでは、『Sometimes It Snows In April』のカヴァーもしているようだ。

51歳での死、キャリア30年でアルバム3枚の寡作ぶりは、共にもったいない。残念。謹んで、ご冥福をお祈りしいたます。

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