エルヴィス(映画・2022年)
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最終更新日:2025/11/06
Elvis Presley
1950年代。若きエルヴィス・プレスリーを見かけたトム・パーカーは、専属マネージャーになる。黒人のようなグルーヴで歌い踊れるエルヴィスは女性人気を得るが、一方ではメイクをし腰をくねらせながら踊るスタイルは批判の対象にもなっていた。
その過激なスタイルがもとで、逮捕されるエルヴィス。刑務所行きを回避するため、パーカーは徴兵令に応じさせる。2年後、兵役を終えたエルヴィスは俳優として映画に主演するが、興行は失敗続きとなってしまう。パーカーはラスベガスの豪華ショーを企画し成功するが、エルヴィスは自身を搾取するパーカーを解雇しようとする。
エルヴィス・プレスリーの伝記映画で、脚色されている可能性はあると思う。個人的には数曲を知っているのみにつき、興味深く観させてもらった。エルヴィス本人は海外での公演を望んでいたが、アメリカとカナダ以外での公演はしていない。それは、パーカーが不法入国者で、いったん海外に出てしまうと帰国できなくなる恐れがあったため他の理由をつけていたからだった。
晩年は、パーカーとの微妙な関係や、成功し続けることへのプレッシャーから、ドラッグに溺れるようになり、妻プリシラとも離婚。エルヴィスが心を許せる友人は、誰かいなかったのかと思ってしまう。エリック・クラプトンがドラッグとアルコール漬けだったとき、手を差し伸べたピート・タウンゼントのような存在が。
もっとも、白人ソロアーティストの先駆者であったがゆえ、同じ目線でいられるアーティストはいなかったのかもしれない。劇中、B.B.キングとの交流は描かれ、またリトル・リチャードもちょこっと出演。B.B.キングは、黒人の自分では無理だがお前ならやれると、エルヴィスを後押しする描写があった。
キャストは、エルヴィスをオースティン・バトラー。極端になりきろうとはしていない一方、色気のある目つきはこの人独自のものだと思う。劇中で歌われる曲は、半分くらいは本物のエルヴィスの音源だったが、オースティンが自ら歌った曲も思った以上に多かった。
パーカーはトム・ハンクスで、やり手で腹黒いキャラをこなしている。パーカー本人の写真も見たが、驚くほど似ていて、この人の役はトム・ハンクス以外にありえないと思えるくらい。監督は、『ムーラン・ルージュ』などのバズ・ラーマンだった。
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