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オアシス(Oasis)@東京ドーム

公開日: : 最終更新日:2025/10/27 Oasis , ,

オアシス(Oasis)@東京ドーム

銃声が静まり、
星が一列に並んだ。
長い待ち時間は終わりだ。
テレビ放映されることはないから
ぜひ観にきてくれ。

去年8月24日に発表された、オアシス再結成のアナウンス。ツアーは今年7月のカーディフから始まり、そしてついに日本公演だ。時は来た。それだけだ。

BGMがローリング・ストーンズ『We Love You』になったところで場内がざわつき出す。そして『Fuckin’ in the Bushes』のSEで更に歓声のヴォリュームがあがり、メンバー入場。リアムとノエルは手をつないで姿をみせた。ミディアム調の『Hello』を経て、個人的に最も好きなオアシスの曲『Acquiesce』へ。

基本はリアムのヴォーカルだが、サビでノエルにバトンタッチ。直前のリフがいい「溜め」になっていて、そしてノエルが歌う。この展開だけで痺れる。そしてこのサビ、「互いに必要としている。言葉にしなくても分かっている。」というメッセージで、まさにふたりが再び同じステージに立っていることを反映しているように思える。

『Some Might Say』では、ちょっと緊張した。なぜなら、オアシス後期ではリアムがサビの声が出なくなっていて無理くり歌っていたからだ。再結成ツアーの評判のよさは聞いていたが、それが観る側の過剰な思い込みか、それともほんとうにバンドが最高の状態なのかが見極められると思っていた。結果、リアムの声は伸びがあり、完全復調していた。

『Cigarettes & Alcohol』のとき、リアムが「turn around」と言い、つまりポズナンの合図だ。ポズナンとは振り返って隣の人と肩を組んでジャンプすることで、ワタシの右隣はヨメですぐ組んだが、左隣はゴツめの兄さんだった(恐らく今回が初オアシス)。彼と目が合い、やりましょうかと言って肩を組んだ。なかなかない体験だ。

メンバー配置は、センターにリアム、向かって右隣にノエル、反対側にアンディ・ベルとゲム。この4人で、フロントラインを形成。後方中央にはドラムのジョーイ・ワロンカー、右端にはキーボードのクリスチャン・マッデン。

今回の目玉のひとつであるボーンヘッドの参加だが、残念ながら治療のためアジアツアーには帯同していない。しかし、等身大より少し大きめのボードが、ノエルの後方に飾られていた。ギターの代役を務めているのは、マイク・ムーア。クリスチャンとマイクは、リアムのツアーサポートだ。

バックの超横長の巨大スクリーンには、モノクロやカラーでランダムに映像が流れたり、ステージ上のメンバーをアップで抜いたりする。最も多くフィーチャーされているのはリアムとノエルで、これはある意味当然。ふたりを両サイドで映し、真ん中に客席を映すといった配置がされることがあった。

ノエルが使っていたギターは、チェリーレッドのES-355とレスポールの2本がほとんどで、あとはアコギを2本使っていたと思う。ゲムも2、3本のギターを使い、マイクはかなり頻繁に替えていた。演奏は、ノエルとジョーイがアイコンタクトしジョーイのカウントで始まることが多かった。

中盤はノエルコーナーで、『Talk Tonight』では場内がスマートフォンのライトで彩られ、『Little by Little』では、意外と言っては失礼だが大きな盛り上がりを見せた。というか、ぶっちゃけほとんど全曲で盛り上がっていた。今どき、こんなバンドいるだろうか。

『D’You Know What I Mean?』はサード『Be Here Now』のオープニングナンバーだが、もしかするとアンディとゲムが加入してからライヴで演奏するのはこのツアーがはじめてかも。『Stand by Me』と続き、個人的にはサードが最も好きな身としては嬉しかった。

『Whatever』も、聴きたかった。かつてはノエルのヴォーカルで何度か観たことがあり、またリアムのソロでも観てはいる。そして、やっとオアシスのリアムヴォーカルで観られるときが来た。バックの映像は、この曲のシングルジャケットを思わせる風景画になっていた。

本編ラストは、『Live Forever』『Rock ‘n’ Roll Star』という、なんとも贅沢な2連発。そして、アンコールはノエルコーナーとしてスタート。『The Masterplan』では、ホーンセクションの3人が加わった(中盤の『Half the World Away』でも加わっていた)。この3人は、ノエルのツアーメンバーだ。

『Don’t Look Back in Anger』でノエルはサビを客の合唱に委ね、リアムが生還しての『Wonderwall』でもサビは大合唱となった。オーラスは、確か以前のツアーでもそうしたときがあったように『Champagne Supernova』だった。終了後、リアムはアリーナ席にタンバリンを投げ入れ、ノエルに抱きついてからステージを去っていった。

セットリスト
1.Fuckin’ in the Bushes(SE)
2.Hello
3.Acquiesce
4.Morning Glory
5.Some Might Say
6.Bring It On Down
7.Cigarettes & Alcohol
8.Fade Away
9.Supersonic
10.Roll With It
11.Talk Tonight
12.Half the World Away
13.Little by Little
14.D’You Know What I Mean?
15.Stand by Me
16.Cast No Shadow
17.Slide Away
18.Whatever
19.Live Forever
20.Rock ‘n’ Roll Star
アンコール
21.The Masterplan
22.Don’t Look Back in Anger
23.Wonderwall
24.Champagne Supernova

リアムとノエルが同じステージに立っているのは、2009年までは当たり前のことだった。当たり前でなくなってから早15年が過ぎ去ったとき、突如として再結成の報が世界中を駆け巡った。それから1年が経ち、ついにこの日を迎えることができた。

個人的には、1995年のクラブチッタ以来10回以上オアシスのライヴを観てきたが、今夜のオアシスこそがベストだったと言える。再結成が実現したこと、そしてまた彼らが観られるという喜びが、追い風になっていることを差し引いたとしても、だ。最高だ。

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