*

ドラキュラZERO(ネタバレあり)

ドラキュラZERO

15世紀。オスマン帝国の皇帝メフメトは、ワラキア国を治めるヴラド・ツェペシュに息子と1000人の少年を差し出すよう要求するが、ヴラドはメフメトの使者を切り捨ててしまう。オスマンの大軍から自国を守るため、ヴラドは山奥に行き、闇の力と取引をする。

治癒力に優れ、五感が研ぎ澄まされ、蝙蝠に包まれて空を飛び、不老不死の肉体を手に入れたヴラドの能力は、もはや一国の軍隊に匹敵する戦力となった。オスマン兵1000人をひとりで倒して残らず串刺しにし、徹底抗戦の構えを見せる。しかしメフメトの策略にはまって妻ミレナを失い、ヴラドは騎士団の封印を解く。騎士団におけるヴラドは竜公/悪魔公の意味を持つドラクレア、すなわち英語読みでドラキュラと呼ばれていた。

ドラキュラは実在する人という認識はぼんやりとあったのだが、今回いろいろ調べてみて、もう少しわかったことがあった。ヴラドもメフメトも実在する人物で、上記の戦いも実際にあったことのようだ。もちろん、実際のヴラドは人間。そこにヴァンパイア(吸血鬼)の要素が加わったのは、アイルランド人による100年ほど前の小説『ドラキュラ』によるところが大きく、この映画もその小説を原作としている。つまり、ヴァンパイアものの映画は数多くあれど、この作品は直系と言っていいのだと思う。

メフメトとの一騎打ちでは弱点を突かれ苦戦するものの、なんとか最後には勝利するヴラド。しかし自国の修道士からは危険視されるうち、太陽の光を浴びてその体は溶けてしまう。「ZERO」なのにこれで終わりなの?と思いきや、ラストにはニヤニヤさせてくれる。

キャストは、ワタシがわかったのは主人公ヴラドののみ。『三銃士』ではアラミスを演じ、ホビットシリーズでは2作目『竜に奪われた王国』から弓の達人として登場。キーマンのひとりになっている。今作では鍛え上げられた肉体を披露する一方、妻と息子を愛するよき夫および尊敬される父親を演じている。『三銃士』のときはまだ知名度がそれほどでもなく、日本公開ではの名が前面に出ていたが、今この人が出演する作品なら、この名前が前面に出ていいはずだ。

関連記事

ドラキュラ(1992)

トランシルヴァニア城主ドラキュラ伯爵は、自分が戦死したという誤報を聞き自殺した妻の死を嘆く。

記事を読む

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994年)

現代のサンフランシスコ。ライターのインタビュー相手ルイは、自分をヴァンパイアだと言い、200

記事を読む

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」を観に行ってきた

世界的なデザイナー、石岡瑛子の展示が現代美術館で開催されていて、観に行ってきた。テレビで数回

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑