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あの頃ペニー・レインと(2000年)

あの頃ペニー・レインと(2000年)

1973年。15歳の少年ウィリアムは、ロックバンド「スティルウォーター」の同行取材をすることになる。ステージ内外のメンバーの姿を見ながら、グルーピーのひとりであるペニー・レインに恋心を抱く。

スティルウォーターは架空のバンドだが、ストーリー的には実在するバンドが見え隠れしている。少年はもともとはブラック・サバスの取材をすることになっていて、それが前座を務めるこのバンドとの出会いだった。バンドが宿泊するホテルではと居合わせることになっているし、ハンブル・パイのマネージャーとポーカーもしている。流れる音楽も、70年代を彩ったアーティストの曲が多い。

ヒロインのペニー・レインを演じているのは、ケイト・ハドソン。本作での瑞々しい佇まいは多くの評価を得た。プライベートでは、2000年にのクリス・ロビンソンと結婚し、2006年に離婚。2011年にはのマシュー・ベラミーと婚約するも、2014年に破棄。アーティストとの関わりは多い。

監督であるキャメロン・クロウの半自伝的映画であり、この人は実際に15歳でローリング・ストーン誌に寄稿、後に編集員のひとりとなって、多くのアーティストを取材している。映画のスコアはハートのナンシー・ウィルソンが務め(当時キャメロンとナンシーは結婚していたが、2010年に離婚)、またピーター・フランプトンがコンサルタントとしてバンドを指導。この人のライヴアルバムは、キャメロンがライナーノーツを書いているそうだ。

他にもロックファンのツボをつくネタが随所にちりばめられていて、見ていてとても楽しめたのだが、ひとつ疑問が浮かぶ。スティルウォーターは、ほんとうに架空のバンドだったのだろうか。実在するバンドが、モデルになってはいないだろうか、と。

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