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アベンジャーズ/エンドゲーム雑感(ネタバレ注意)

アベンジャーズ/エンドゲーム

個人的に、はじめてマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品に手をつけたのは「アイアンマン3」で、これはMCU7作目にあたる。それ以前、そしてそれ以降の作品は、劇場、テレビ放送、レンタルで観続けて、去年ようやく追いついた。更にはスピンオフドラマ「エージェント・オブ・シールド」「エージェント・カーター」にも着手し、こうして全ての作品を観たからこそ味わえる感動が、「エンドゲーム」のあちこちにある。

【クリントとスコット】
インフィニティ・ウォー」では未登場だった2人が、序盤で早速フィーチャーされる。冒頭はホークアイことクリント・バートンが家族を失うシーンで、その後の世界で暴れる無法者たちを成敗する処刑人と化している。東京でヤクザを斬り倒したところに、ナターシャが迎えに来る。一方のスコットは、この絶望的な状況をひっくり返すための、かなり重要な役割を担っている。

【過去への旅】
これは、いい意味でかなりずるい(笑)。ストーンを過去から回収するという名目だが、過去作品へのオマージュにもなり、死んでしまった・その後の動向が不明になっていたキャラクターたちが、次々に登場するからだ。

【2012年のニューヨーク】
ドクター・ストレンジ」との交錯
ブルース・バナーがタイムストーンを回収しに向かったのは、ドクター・ストレンジの師エンシェント・ワン。当然のように最初はブルースを相手にしないが、ブルースがインフィニティ・ウォーで起こることを話し、ドクターがタイムストーンを手放したことには意味があるはずと推察し、彼女はブルースにストーンを託した。

アベンジャーズ」「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」との交錯
ロキを捕らえ、その杖からマインドストーンをシールド(実はヒドラ)が回収しようとしたところを、スティーブが横取り。この時代のキャプテン・アメリカつまり自分に見つかって戦闘になるが、スティーブがつけていたペンダントのペギー・カーターの写真に彼が気を抜いたスキに、ストーンを奪い返す。

トニーとスコットが狙ったのは、スペースストーン。シールド(ヒドラ)の長官ピアースから奪おうとするも失敗し、ストーンはロキの手に渡ってしまう。

【2013年のアスガルド】
マイティ・ソー/ダーク・ワールド」との交錯
ロケットはソーの元恋人ジェーンの体内にあるリアリティ・ストーンを回収しようとするが、ソーは全くやる気がない。しかし、この日に死んでしまう母と会ってしまい、母はソーが未来から来たことを理解して励ます。2人は、ストーン回収に成功。

【2014年の宇宙】
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」との交錯
ネビュラとローディが、ピーター・クイルをあっさり捕獲し、パワーストーンを回収。しかし、ネビュラがこの時代のサノスたちに捕獲されてしまう。

【ネビュラとガモーラ、そしてサノス】
サノスはガモーラとネビュラを娘として迎え入れ、戦士として育ててきた。ガモーラはやがてサノスから逃れ、ガーディアンズに加わる。ネビュラはサノスに忠誠を尽くし、自分より少しだけ上を行くガモーラを憎みつつも、やがてガモーラに説得されてガーディアンズに加わる。義理の姉妹、そして義理の親娘の関係はとても複雑で、「ガーディアンズ」を観ていなければ感じるのは難しいと思う。

【ナターシャ、そしてクリント】
インフィニティ・ウォー」との交錯
ソウルストーンを得るためには、魂の引き換えが必要。2人は共に相手を退けつつ、自ら谷底に落ちようとするが、結局ナターシャが落ちてしまう。

単体のヒーローとしては描かれて来なかったナターシャだが、MCUの中で最も成長し飛躍したキャラクターではないかと思っている。「アイアンマン2」で秘書としてトニーに近づき、アベンジャーズにスカウト。「ウインター・ソルジャー」ではスティーブをサポートし、「シビル・ウォー」では、アベンジャーズの代表としてソコヴィア協定調印式に出席していた。

幼少時からロシアの女スパイとして育成されていたのを、アベンジャーズにスカウトしたのはクリントだった。彼女の最期を見届けたのがクリントだったのは、運命だったのだろうか。

6つのストーンの中で回収するのが最も困難だったのが、ソウルストーンだと思う。引き換えにする魂はザコではなく、それなりの重みがなければならなかった。ナターシャの死はショッキングだったが、彼女が命を賭けたことでストーンが全て揃ったのだ。

【トニーとハワード、スターク親子の邂逅】
トニーはストーン回収の際にハワードに出くわしてしまい、シールド職員を装って会話する。ハワードはもうすぐ子供(つまりトニー)が生まれるが、任務に没頭して家庭を顧みていないことを悔やむ。娘モーガンがいるトニーは、子を持つ父親の心境を、もうすぐ自分の父になるハワードにそれとなく話す。

2人が分かれた後、ハワードを迎えに来たのが、秘書ジャーヴィス。後にトニーの家庭教師になり、トニーはアイアンマンスーツのAIにジャーヴィスと名づけている。

【スティーブとペギーのニアミス】
スティーブはピム粒子を回収。若きピム博士も、ちらっとだが通りすぎる。エレベーターで居合わせた職員に不審人物扱いされたスティーブは、とっさにドアを開けて部屋に入り身を隠す。その部屋はペギー・カーターのオフィスで、スティーブはガラス越しにペギーと対面する(ペギーはスティーブに気づいていない)。

シールド設立の中心人物がペギーで、それをサポートしたのが若きハワードだった。1970年よりも前の時期になるが、ドラマ「エージェント・カーター」ではその辺りが描かれている。ハワードは裏の世界での取引にも手を出していてお尋ね者扱いになっていて、自分が不在のときにはジャーヴィスにペギーのサポートをさせていた。

【現代での全面戦争】
6つのストーンをガントレットにはめてハルクが指を鳴らし、消滅した人類が復活。しかし、サノスたちが量子トンネルで2014年から現代に来てしまい、アベンジャーズ本部は崩壊。サノス軍団とヒーローたち数人では多勢に無勢か・・・と思われたそのとき、スティーブに呼びかけるサムの音声。ヒーローたちも復活し、全面戦争へ。

【キャプテン・アメリカがムジョルニアを持ち上げる】
ソーがハンマー「ムジョルニア」を現代に持ち帰っていて、それをスティーブ/キャプテン・アメリカが持ち上げた。ムジョルニアは正しい心を持つ者だけが持ち上げられるとされていて、かつて「エイジ・オブ・ウルトロン」でヒーローたちがムジョルニアを持ち上げるゲームをしたが、結局持ち上げたのは持ち主のソーのみ。

しかし、このときスティーブだけがかすかに動かしていて、ソーは一瞬驚いた表情をした。こうした伏線を経ているのだが、ソーはムジョルニアを手にしたスティーブを見て「やっぱりね」と一言。

【アベンジャーズ女性軍団勢揃い】
戦いのさなか、キャロル/キャプテン・マーベルに吸い寄せられるように女性戦士たちが一団を形成。ワンダ、ワスプ、ペガサスに乗ったヴァルキリー、アイアンマンスーツを着けたポッツ、オコエ、シュリ。監督はこのシーンを批判覚悟で作ったというが、ワタシはよかったと思う。

【1400万分の1の確率】
サノスにガントレットが渡ってしまうが、6つのストーンはトニーが奪い自分の右手のガントレットに移していた。そしてこのとき、トニーとドクター・ストレンジはアイコンタクトをとっていた。今がそのときなのだと。

「インフィニティ・ウォー」でドクター・ストレンジは1400万通りの未来を見たといい、その中で勝利したのをたったひとつだけ確認した。タイムストーンをサノスにあっさり渡してしまったように見えたが、すべてはこの瞬間のためだった。しかしドクターがトニーに言わずに(言えずに)いたのは、それがトニーの死をも意味するからだった。そしてトニーも、恐らくは自分の運命を感じ取っていたのではないだろうか。

身勝手で自己本位なようでいて、やはり最後は人のために尽くし、死んでいったトニー。タイム泥棒作戦に参加する際、自分の生活を優先することを条件につけていたが、思えばこれが「死亡フラグ」だったのかも。

【トニーの葬儀】
共に戦ったヒーローたちだけでなく、生きているほとんどすべてのキャラクターが勢揃いした。それぞれの立っているポジションがなかなか興味深く、共に戦ったアベンジャーズやトニーの家族は前の方に。キャロルは後方にひとりで、そしてニック・フューリーは更に後方にひとりで立っていた。

【スティーブ・ロジャースが選んだ結末】
6つのストーンを元の時代に戻しに行ったスティーブ。量子トンネルでは5秒後に戻ってくるはずが5秒以上経っても戻らず、すると少し離れたところに佇む老人が。戻った時代からそのまま人生を送ったスティーブだった。

第二次大戦中、愛国心に満ちた青年はひ弱な肉体を国のために差し出し、キャプテン・アメリカとなった。戦いを経て氷漬けになり、70年後の現代に甦ったが、戦いの中でしか生きられない、日常のない男になっていた。しかしスティーブは、最後に自分の人生を生きることができた。ラストシーンはペギー・カーターとのダンスで、スティーブだけでなく、「エージェント・カーター」でのペギーの奮闘を思い起こすと、とても感慨深い。

【そして、物語は続く】
トニーとスティーブ、アベンジャーズの軸だった両名が退場。これまでのMCUの総決算の位置づけにある本作だが、しかしフェーズ3のラストとはされておらず、次作「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」がフェーズ3のラストとされている。予告編を見る限りでは、ピーター・パーカーのほかニック・フューリーの姿も確認できて、「エンドゲーム」以降のアベンジャーズを模索しているようにも見える。

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