*

ザ・ローリング・ストーンズ『The Rolling Stones At The Max』

ザ・ローリング・ストーンズ『The Rolling Stones At The Max』

1990年8月の公演を収録したライヴ映像で、日本のファンにとっては同年2月に実現した初来日公演を思い出させる。

映像は、ライヴ直前のステージ裏に陣取るメンバーの様子から始まり、この導入部だけでゾクゾクさせられる。『Continental Drift』のSEから火薬が炸裂し、の指による『Start Me Up』のイントロでライヴの始まりだ。このときはまだビル・ワイマンが在籍していて、仁王立ちで淡々と弾いている。は例によってアグレッシブにステージ上を動き回り、キースとロン・ウッドは時折寄り添いながらギターを弾く。サックスのボビー・キーズをはじめとする管楽器隊、2人の女性とひとりの男性によるコーラス、2人のキーボードといった、バックメンバーは、現在とは微妙に異なっている。

選曲は、当時の新作『Steel Wheels』プラスベストヒットだが、特に60年代のヒット曲がセレクトされているように見える。また、『2,000 Light Years From Home』はこのときのツアーの目玉のひとつだった。『Honkey Tonk Women』では巨大風船女がお目見えし、終盤にはミックがステージを降りて最前に詰めている客とハイタッチし続ける。

収録時間が90分を切っていて、つまりカットされた曲が結構あるのが残念。また、DVD再発に際し、VHSにはなかった特典映像があるとされていたが、結局なかったのも残念。しかし、ワタシも90年の公演には1回だけだが行ったし、その追体験ができるという意味では、やはりありがたい作品である。また、この映像は方式で撮影されている。現在では日本でも映画館に専用シアターが設置されるなどで一般に浸透しているが、ストーンズの適用は早かったと言える。

関連記事

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Bridges To Babylon Live In Concert』

ローリング・ストーンズが97年から98年に行ったツアーより、97年セントルイス公演を収録した

記事を読む

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Some Girls Live In Texas’78』

ローリング・ストーンズの蔵出しシリーズから、1978年のライヴ映像を観た。アルバム『Some

記事を読む

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『GRRR! Live』

ローリング・ストーンズ結成50周年ツアーより、2012年12月15日にニュージャージー州ニュ

記事を読む

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Ladies And Gentlemen』

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Ladies And Gentlemen』を武道館で観た

ローリング・ストーンズの1972年のライヴを記録した映像作品、『Ladies And Gen

記事を読む

THE ROCK STORIES

先月、フジテレビで3夜連続計6時間で、ロックの歴史を紹介する番組「THE ROCK STOR

記事を読む

S