Last Days 坂本龍一 最期の日々
2023年3月28日に、71歳で亡くなった坂本龍一。テレビでは、追悼をはじめ関連番組がいろいろ放送されてきたが、標記の番組は文字通り坂本の人生の最期に密着した内容だ。
いったんはガン治療を経て寛解した坂本だったが、転移が見つかった。ニューヨークの自宅を離れ、東京の仮住まいに移動。入院、手術、治療を続ける。手書きで日記をつけていて、そのときそのときの心情を書き留めていた。体力が落ちていくことに歯がゆくなっているのが、観ている方にまで伝わってきた。
体調が回復してくると、音楽活動をはじめた。仮住まいに持ち込んだであろう機材一式の中で曲を作ったり、NHKスタジオまで足を運んでレコーディングしたりした。担当医は、体調がよければすぐ仕事をしてしまうと、坂本の身を案ずるがゆえでもあるが戸惑っていた。時期的に、最後のソロアルバム『12』や映画『怪物』のサントラを手がけていたと思う。
2022年のロシアのウクライナ進攻を憂えたり、2023年1月に盟友のひとり高橋幸宏が亡くなったときには悲しんだりしていた。そして、坂本自身にもそのときが迫っていた。
死の2日前、病室のベッドに横たわる坂本の姿はげっそりと痩せ、ガンに冒されるとはこういうことかと思わされた。そして、東北ユースオーケストラの演奏会をスマートフォン越しに観ていた。坂本は音楽活動のほか社会活動も積極的におこなってきた人で、311の震災以降東北の学生を集めて演奏会を通じ支援をしてきた。番組中でも、学生とのリハーサル風景や集合写真が何度か流れていた。
亡くなる直前、意識がない状態でありながら、タクトを振っているかのような坂本の手元のショットが、最後に映し出された。
闘病を映像として記録すること、そして残された時間をどう過ごすべきかというひとつのあり方を、示してもらった。
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