芸術新潮 攻殻機動隊特集
美術雑誌『芸術新潮』にて、『攻殻機動隊』が特集された。どちらかというと伝統的なアートを取り扱う印象のある雑誌で、SFマンガ/アニメを扱うのは異例ではないだろうか。
『攻殻機動隊』は、士郎正宗のマンガを起源とし、計4種のアニメが制作されている。誌面では各作品を個別に解説しつつ、主要キャラクターは作品横断で紹介。そして、3人の監督のインタビューもとっている。
『Stand Alone Complex』の神山健治のインタビューは何度か読んだことがあるが、押井守のインタビューが新鮮だった。その前に手がけた『パトレイバー』よりも予算が少なかく、公開時は反応が薄く興行的にもさっぱり。それが海外で評価された途端に騒ぎになり、と同時に怪しいオファーが増えたそうだ。現在はデジタル制作が主流だが、当時はアナログ制作で、押井は出来には「もちろん」不満が残るそうだ。
『SAC_2045』はフル3DCG作品で、神山と共同監督した荒牧伸志は、『APPLESEED』『キャプテン・ハーロック』も手がけた人だった。どちらも観たことのあるフルCG作品だったので、納得だ。キャラクターの動きには、モーションキャプチャーを使っているそうだ。『攻殻』は時代を先取りしたSFとされることも少なくないが、荒牧は制作には3、4年かかるので、そこまで進んでいるとは思わないと、冷静だ。
現在、虎ノ門ヒルズで『攻殻機動隊展』が開催中だが、手がけた人のインタビューを取りつつ展示についても紹介している。大きく3つのブースから成り立ち、1,600枚を超える原画を展示。ARグラスによる、立体的なコンテンツも用意されている。
そして、今夏放送予定の新作アニメ『攻殻機動隊 The Ghost In The Shell』についてのページもある。まずは、アニメーションがどのようにして制作されているかをざっくりと紹介(それまでの『攻殻』作品の原画やセル画が制作過程で使われている)。この新作、キャラクターデザインが士郎正宗の原作に近く、それまでのアニメとはまた違った作風になりそうだ。
『芸術新潮』は個人的に滅多に手にしない雑誌で、購入したのはバベルの塔を特集した2017年5月号以来になると思う。一見敷居の高い雑誌だが、その分読み応えたっぷりで、歴史を積み重ねている『攻殻』ともマッチしていると思う。
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