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『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』を観て思うこと

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女

まずは、続編として本作が公開されたことを素直に喜びたい。前作公開は2021年つまりコロナ禍真っ只中で、3部作と言われているがほんとうに続編が世に出るのだろうかと思ったこともあった。

映像のクオリティの高さは、今回も尋常ではない。今更引き合いに出すのも的はずれかもしれないが、ファーストガンダムの頃を思えば雲泥の差だ。今回はドルビーアトモスのシアターで観たので、音響面の迫力も堪能できた。

前作ではよくわからなかった反連邦政府組織マフティー・ナビーユ・エリンは、その組織規模が明らかになった。相応の軍事兵器を保持し、スタッフが動いていることが伺えた。反政府組織はほかにも存在していて、オエンベリの私設軍隊ともマフティーは連携している。

一方でモビルスーツのパイロットは人材豊富とは言えず、なのでハサウェイはクスィーガンダムに乗っている。ハサウェイは、その血統や第二次 ネオ・ジオン抗争に若くして参加した経歴などから特別視されているが、当人はやむなく組織のリーダーを務めているように見える。そしてそのさまは、一部のスタッフを苛立たせてもいる。

副題「キルケーの魔女」とは、まさにギギ・アンダルシアを指すはずだ。もともと彼女は、パトロンである伯爵が購入した香港の住まいに行くことが目的で、そのさなかにハサウェイやケネス・スレッグと知り合った。今回、いったんはその住まいに行きはするが、再び伯爵と生活を共にすることよりも、別の世界に飛び込むことを選んだ。

表のストーリーがアデレードで開催される連邦政府会議とマフティー襲撃の前段ならば、裏のストーリーはハサウェイとギギ、ケネスとの関係性だ。ケネスは勝利の女神としてギギを手元に置きたがり、ハサウェイは第二次 ネオ・ジオン抗争でのトラウマからどうしても逃れられない。

特にハサウェイは、内向的を通り越して精神分裂しかかっている。ここまでひどいとは思わなかったが、『逆襲のシャア』で我を忘れたとはいえチェーンを殺してしまい、それがクエスを失ったことと同じくらいのしかかっていると考えれば、納得できるところもある。

観ていて過去作が頭をよぎるのは、どうしても避けられない。ギギとメイスのやりとりにはクエスとナナイ、あるいはクエスとチェーンとのやりとりを想起させる。ハサウェイの前にクエスの残像が出てくるのは、アムロがララァの夢にうなされるのとダブる。レーン・エイムの立ち位置は、ギュネスに似ている。

ギギは自らがファザコンだと自覚する瞬間があるが、『逆襲のシャア』のラストでシャアがアムロとのやりとりの中でクエスは自分に父親を求めていたことに気づく。ここまではクエスとギギがダブる。がしかし、彼女がケネスから離れてハサウェイのところに行ったのは、自らを変えようとする意思の表れだと思う。

ギギは、ガンダムシリーズの非戦闘員ヒロインでは完成形ではないだろうか。王妃やお嬢様ではないが、といってウザさもない。クエスやベルトーチカの系譜にあり、劇中では自らを愛人と卑下している。一方、伯爵との住まいを整え準備するときの姿は、やり手のビジネスウーマンばりだ。劇中何度も衣装替えするのは、戦闘ものジャンルの作品としては異例だ。

個人的には原作未読で、結末だけは情報として知っている状態。ハサウェイがああだとすると、あの結末は避けられないというか、むしろ順当に思ってしまう。今度は5年もかからずに公開されると思うので、楽しみに待ちたい。

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