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インフェルノ(ネタバレあり)

インフェルノ(ネタバレあり)

ロバート・ラングドン教授は、気がつくと病室にいた。場所はイタリアのフィレンツェ。頭部に傷を負い、数日間の記憶が欠落している。そこへ警官姿の女殺し屋が現れ、ラングドンは主治医のシエナに連れられて彼女のアパートに逃げる。

ラングドンは所持品の中から小型カプセルを見つけ、それはダンテ『神曲』の地獄編を表現したボッティチェリの地獄図を映し出すプロジェクターだった。地獄図には文字が書き込まれていて、それが大富豪にして遺伝学者でもあるゾブリストが残した、大量殺戮ウィルスの手掛かりと想定する。ラングドンとシエナは、WHOと地元警察、女殺し屋から逃げつつ、フィレンツェの街を駆け巡る。

ダ・ヴィンチ・コード』シリーズの第3作になる。1作目はからを舞台とし、レオナルド・ダ・ヴィンチが謎解きのヒントに。2作目『天使と悪魔』はバチカンが舞台で、ヒントはガリレオ。そして今回は、フィレンツェからヴェネツィア、終盤はイスタンブールへと渡り、ヒントはダンテになっている。継承をしつつ、独自の展開を見せる構成は見事だ。

キャストは、ラングドンはもちろん。前作から7年が経過しており、見た目こそ年は隠せないが、今回も体を張っている。ラングドンは身寄りもいない独身だが、なぜ独身なのかというのも今回わかってくる。

シリーズでは、毎回ラングドンと行動を共にする女性がいるが、今回は女医のシエナ。頭が良く、ダンテの知識もあり、いいパートナーになるものと思いきや・・・。演じるのはフェリシティ・ジョーンズという人で、観ているときは気づかなかったが、近く公開される『ローグ・ワン』の主人公の人だった。

2人を追うWHOの黒人捜査官は、『最強のふたり』で主演していた人。ゾブリストを顧客に持つ警備会社のCEOは、『ジュラシック・ワールド』でパーク設立者/所有者役のインドの人だった。キャストは、結構粒揃い。監督は、3作続けてロン・ハワードだ。

評判は今ひとつっぽいが、個人的には3作の中で最も出来がいいと感じている。ゾブリストが冒頭で自殺してしまい、死してなお影響力を持つところや、ラングドンが各美術館の間取りや裏口を完璧に覚えていて、追手を巻きながら目的に迫るところなどは、観ていて痛快だ。永井豪の『』に多大な影響を与えている、ダンテ『神曲』を取り扱ってるからというのもあるかも。

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