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クラフトワーク(Kraftwerk)@ソニックマニア

公開日: : 最終更新日:2020/06/13 Summer Sonic 2014

去年、3-D公演で来日しているだが、会場はライヴハウスクラスだった。しかし今回、あの立体映像を巨大会場で観られると思っただけで、始まる前からワクワクしていた。

ほぼ定刻に客電が落ち、ステージを覆っていた幕がストンと落ちる。曲は『The Robots』。1万人は集まったであろうオーディエンスから、オオッというどよめきが起こる。今回はじめて観る人にとっては、映像が思いのほか立体的であることに、度肝を抜かれたはずだ。

『Spacerab』では、映像前半で人工衛生が日本列島に接近し、終盤ではUFOが幕張地区に接近、着陸したところで曲が終わるという具合だ。『Numbers』の「イチ、ニ、サン、シ」ではまたどよめきが起こり、メドレー式に『Computer World』へとなだれ込む瞬間は、何度体験してもはっとさせられる。『Dentaku』『Autobahn』『Trans Europe Express』『Tour De France』と、繰り出される全曲が電子音楽のスタンダードと言っていい。

中盤、ラルフ・フュッターがMCで、次の曲の歌詞はが日本語に翻訳してくれたと言い、「ハヤイ カイフク ヲ イノッテ イマス」と、坂本にエールを贈った。そして始まったのが、『Geiger Counter』からの『Radioactivity』だ。前半を日本語詞でやりきり、痛烈なメッセージを掲げた。この曲が30年以上も前に書かれ演奏されていたという彼らの先見の明に感動する一方、30年以上経ってよりリアリティが備わってしまっている悲しさも、併せて感じずにいられなかった。

ラストはもちろん、『Musik Non Stop』。ここまでほぼ映像中心で観てきたので、最後の最後でやっとメンバーひとりひとりに注目することになった。

早すぎた彼らに、やっと時代が追い付いた。もしかすると、やっと自分たちのやりたいことが表現できる条件が整ったと、感じているのかもしれない。だからこそ、彼らはリタイアせずに、今だ現役たらんとしているのだと思う。

今までもエレクトラグライドやノー・ニュークスといった、日本のフェスに彼らは出演した。しかし、規模では今回のが恐らく最大だと思う。彼らの素晴らしさがより多くの人に広まり浸透する、絶好の機会になったのではないだろうか。

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